津久見・今山、志願の完投で4強導く 34年ぶり聖地へ前進 帽子のつばに記した「天下無双」体現

[ 2022年7月21日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権大分大会・準々決勝   津久見6―1国東 ( 2022年7月20日    別大興産 )

<国東・津久見>完投勝利の津久見・今山
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会は20日、各地で開催された。大分大会では全国制覇経験がある古豪、津久見が国東に快勝し4強進出。背番号10の今山崚投手(3年)が3安打1失点で完投し34年ぶりの出場へ前進した。

 右腕を力強く突き上げた津久見の今山から白い歯がこぼれた。3安打1失点の快投で4強進出に貢献。1988年夏以来の甲子園出場に前進した。

 初回に先制を許したが、「気持ちをつくっていきました」と2回からは130キロ台の直球にスプリット、フォークを低めに集める投球で好投。5回終了後にベンチで藤丸崇監督から続投するかを聞かれたが、「いく気満々だったので、全部いかせてください!」と志願してマウンドに上がった。その後もスコアボードに0を並べ、奪った三振はわずか3。打たせて取る投球が光った。

 今山はこれまでは寮生活で夜更かしをするなど、野球以外で指導者から注意されることが多かった。「迷惑をかけている。恩返しをしないといけない」と改心。規則正しい生活を習慣づけたことで「プレーも体が楽になったし、練習できる時間が増えた」と余裕が生まれたことで、結果に結び付いているという。

 春夏計2度の全国制覇がある伝統校だが長年、甲子園から遠ざかっている。新型コロナのため夏の大会が中止となり、県高野連が主催した独自大会で優勝した2020年は、甲子園の土は踏めなかった。今年こその思いはある。ヤクルトなどでプロ通算88勝を挙げた川崎憲次郎を擁して甲子園でベスト8入りした1988年夏以来、34年ぶりの出場まであと2勝。準決勝は昨年覇者の明豊に挑む。

 帽子のつばには「天下無双」と記している今山。「いつも(無双)しています」と胸を張った背番号10が、大きなミッションに挑む。(杉浦 友樹)

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2022年7月21日のニュース