マク砲不在 コロナ禍の広島、一丸で勝率5割復帰に再び王手 野間が決勝打「いいところで打てた」

[ 2022年7月21日 04:45 ]

セ・リーグ   広島5-3阪神 ( 2022年7月20日    マツダ )

<広・神>7回2死一、三塁、勝ち越し適時打を放ち、雄叫びを上げる野間(撮影・北條 貴史)
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 広島は20日の阪神戦で、2点劣勢の7回に一挙4点を挙げる逆転勝利を飾った。6年目で初めて4番に座った坂倉将吾捕手(24)が口火を切り、野手主将の野間峻祥外野手(29)が決勝打を放ち、一丸で劣勢をはね返した。連日の新型コロナウイルス陽性者は計43人にのぼり、4番のマクブルームまで離脱。窮地で連敗を阻止し、勝率5割復帰に再び王手をかけた。

 緊急事態に奮い立っていたことは、何度も強く握った拳が物語る。野手主将の野間がチームを一つにした。

 「ベンチ入りの野手が少ない中で何とか戦っていかないといけない。出た選手がどれだけ仕事をするかが大事。そういったところで打てたことは良かった」

 2点差を追いついた7回、なお2死一、三塁。浜地のカットボールに食らいついた。決して強い当たりではなくても、執念の分だけ二塁手のグラブをわずかに越えた。決勝打が右前に弾んでも持ち前の笑顔はこぼれず、「自然と出た」と何度もガッツポーズを繰り返すほどに気合が入っていた。

 「いいところで打てた。気持ち的にもずるずるいっていた中で、1本が出て良かった」

 1軍選手の陽性者は3人でも、影響は避けられない。3月30日から4番を務めてきたマクブルームが不在。坂倉が6年目で初めて4番に座った。1―3の7回先頭で左前打を放ち、苦戦していた西勇を降板させた。佐々岡監督から「いま一番ふさわしい」と託された4番。一挙4得点につながる風穴をあけた。

 1死満塁の勝負どころで代打登場したのは羽月だった。本来の代打1番手の松山はマクブルームに代わって先発出場。大役を託されると、二塁左へのゴロで懸命に走り、併殺を免れる同点打とした。指揮官から「初球からいく思い切りの良さがあった。あの併殺崩れの1点は大きかった」とたたえられた。

 捕手を含む控え野手は阪神より2人少ない6人。23日のヤクルト戦に先発予定の森下を代打要員でベンチ入りさせるほどの総力戦だった。7回以降の逆転勝利は今季3度目で、2点劣勢をはね返したのは今季初めて。佐々岡監督は「みんなで危機を乗り越えないといけない。ベンチでよく声が出て、いい雰囲気だったからこそ逆転が起きた」と一体感を強調した。

 野手主将の野間がナインの思いを代弁する。「みんなで束になる。よりみんなで戦っていかないといけないこと、全員が分かっている」。結束力は緊急事態でさらに強くなった。(河合 洋介)

 ▼広島・坂倉(6年目で初4番。7回は左前打で逆転の口火を切るなど2安打)打順のことは忘れて臨んだ。4番でも5番でも同じ意識で入った。(7回は)先頭だったので出塁できて良かった。

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