80年の球宴知る米記者語る「大谷のような素晴らしい選手はもっと長く試合に出るべき」

[ 2022年7月21日 02:30 ]

オールスター・ゲーム   ア・リーグ3―2ナ・リーグ ( 2022年7月19日    ロサンゼルス )

80年のドジャースタジアムでの球宴と今回の球宴について語るシュロスバーグ記者(撮影・奥田秀樹通信員)
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 AP通信で長く活躍し、現在はフォーブス誌に寄稿しているダン・シュロスバーグ記者(74)は、1972年以降の全てのオールスター戦を取材。80年の前回のドジャースタジアム開催を振り返りつつ、当時と現在の球宴事情について語った。

 かつての球宴は、両リーグが誇りを懸けて必死に戦った。70年は延長戦でピート・ローズが本塁突入時に捕手に体当たりし、KOして勝った。他にも私が取材した試合で延長13回や15回があった。

 80年のドジャースタジアムでは、3イニングを投げた投手が2人、2イニング以上が3人いた。肘のじん帯再建手術にその名が付いたトミー・ジョン(ヤンキース)は、手術から復帰後5年目。2回1/3を投げ、2被弾を含む3失点で敗戦投手になった。これがキャリア最後の球宴となったが、ドジャースタジアムは手術した74年を挟んで72~78年に本拠としてプレーした球場。投げる姿には喜びとともに、闘争心を感じたものだ。

 私は今でも球宴はそういう試合であるべきだと思う。大谷のような素晴らしい選手は投げても打っても、もっと長く試合に出て、リーグが勝つために戦うべきだ。今は全員を試合に出そうとして早く交代しすぎる。02年は代え過ぎて選手が足りなくなり、引き分けに終わってしまった。

 一方、昔より今の方が良くなっている部分は国際化が進んだこと。07年はイチローが史上初のランニング本塁打を放ちMVPに選ばれた。21、22年は二刀流の大谷が最も注目された選手になった。

 私の考えでは今年も大谷がア・リーグのMVPの最有力候補だ。投打の二刀流に加え、彼には足もある。昨季三塁打の数でリーグトップになった。米国の子供たちが彼に憧れ、フットボールやバスケットボールではなく野球選手になりたいと夢を持つかもしれない。大谷のような選手が球宴の舞台で、もっともっと目立ってほしい。(構成・奥田秀樹通信員)

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2022年7月21日のニュース