TDK 宿敵相手に三度目の正直 鈴木9回途中2失点の力投で接戦制した

[ 2022年7月21日 04:30 ]

第93回都市対抗野球1回戦   TDK3ー2Honda ( 2022年7月20日    東京D )

<TDK・Honda>勝利し歓喜の鈴木(左から2人目)らTDKナイン(撮影・島崎忠彦)
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 1回戦3試合が行われ、TDK(にかほ市)が一昨年覇者・Honda(寄居町・小川町)に3―2で競り勝った。先発した鈴木大貴投手(24)は完投にこそ届かなかったが、8回1/3を5安打2失点と力投。過去2戦は敗れていた強豪に三度目の正直で雪辱を果たした。元阪神の藤田太陽監督(42)が率いるロキテクノ富山(上市町)は、JFE西日本(福山市・倉敷市)の前に初戦敗退した。

 捕手の奥村がミットを大きく掲げた。3点リードで迎えた9回、1点差に迫られなお1死一、二塁。遊ゴロで併殺崩れとなった間に二塁走者が一気に本塁へ突っ込んできたが、一塁・三河の好返球でタッチアウト。20年王者を辛うじて下した。

 「ボールは絶対離さない。最後は吐きそうになりましたけど」。守備の要が笑った。

 バッテリーの共同作業で三度目の正直に成功した。Hondaには昨年のスポニチ大会で1―7、今春のJABA長野大会でも0―3と完敗。いずれも鈴木が打ち込まれたが、この日は宿敵に8回1/3を2失点と粘った。背中を反るように振りかぶり、グラブを一度体の後ろ側へ引いてから投げ込むフォームもさえた。「骨盤の回旋する力を利用しました」。社会人1年目の20年に自己最速となる154キロを計測。この日の最速は146キロながら「差し込めていたと思う」と胸を張った。

 圧巻は侍ジャパン社会人代表の経験を持つ4番佐藤を3打席連続三振に封じた内角攻めだ。「最初(2回)の三振は内角直球でしたが、6回(2死一、二塁)は懐を意識させてカットボールで三振を取れた」と女房役の奥村が振り返った。

 チームは2年連続の初戦突破となり「三度目の正直で勝てた」と鈴木。佐藤康典監督も「鈴木は今年一番の投球。以前の東北勢は初戦敗退ばかりだったけど、徐々に東北のレベルを実証できたと思う」と胸を張った。06年に東北勢で唯一、都市対抗を制覇したチームとして、再び旋風を巻き起こせるか。(伊藤 幸男)

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2022年7月21日のニュース