ノーノーあと1球で逃したオリ椋木「最後に一番ダメな球が…」「投げた瞬間“やばい”と」

[ 2022年7月21日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス2-0日本ハム ( 2022年7月20日    京セラD )

<オ・日>ヒーローインタビューを終えポーズを決め写真に納まる吉田正(左)と椋木(撮影・後藤 正志)
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 オリックスの椋木蓮投手(22)がプロ2戦目となった20日の日本ハム戦で9回2死まで無安打投球ながら、日本ハム・佐藤に中前打を許し史上87人目、通算98度目のノーヒットノーランを逃した。あと1人で快挙を逃すのは13年の古谷(ロッテ)以来23人目、25度目。それでも8回2/3を1安打無失点で球団新人では2リーグ制以降で初となるデビュー戦から先発2連勝を飾った。

 悲鳴と歓声が交錯する中で、白球が自らの頭上を越えて中前で弾んだ。あと1人、あと1球だった。悔やまれる116球目。9回2死、カウント2―2からの6球目、スライダーが高めに浮いた。29人目の打者・佐藤に初安打を許し、椋木は目に涙を浮かべて悔しがった。

 「最後に一番ダメな球が…。三振を取ろうという欲が出て、ダメでした。投げた瞬間“やばい”と思って、やっぱり打たれるかと」

 ノーヒットノーランを達成すれば史上87人目、新人では87年の中日・近藤真一(現在は真市)以来、パ・リーグ新人に限れば54年山下登(近鉄)以来68年ぶり2度目だった。快挙は逃しても快投は色あせない。初回の近藤から5者連続三振を含む、自身初の2桁11奪三振とねじ伏せた。

 「(過去には)完投もしたことないです。打たれた時は悔しかったけど。ここで達成しててんぐになるのもよくないし、いい経験だったと思います」

 初完封、初完投も逃したが8回2/3を1安打無失点。初勝利を挙げた前回7日の西武戦以来2度目のマウンドで、新人デビュー2戦2勝は球団では78年三浦広之(4戦4勝)以来44年ぶり、先発2連勝は球団史上初だった。

 縁深いものもあった。昨年末のこと。「地元の山口県からドラフト1位指名されたのは誰以来なのかと気になって調べました」。県内の高校出身選手が1位指名されるのは「炎のストッパー」の愛称で親しまれた津田恒実さん以来40年ぶりだった。甲子園を目指した山口大会が行われた球場も、津田恒実メモリアルスタジアムだった。「山口と言えば椋木と言われるくらいの人になりたい」。くしくも93年に32歳の若さで天国に旅立った津田さんの命日だったこの日、椋木が強烈な存在感を放った。(湯澤 涼)

 ◇椋木 蓮(むくのき・れん)2000年(平12)1月22日生まれ、山口県出身の22歳。高川学園では2年夏に甲子園出場も登板機会なし。東北福祉大では1年春からベンチ入りし、4年時の大学選手権で最速154キロを計測。仙台六大学リーグ通算15勝1敗、防御率0.69。21年ドラフト1位でオリックス入り。1メートル79、83キロ。右投げ右打ち。

 【初登板から先発で2戦2勝は2リーグ制以降球団初】新人の椋木(オ)が9回2死から佐藤(日)に初安打を許してノーヒットノーランを逃した。あと1人で逃すのは13年6月26日の古谷(ロ)以来23人目(25度目)で、新人は椋木が初めてだ。オリックスの新人で初登板から2戦2勝は、78年に三浦広之が4戦4勝して以来44年ぶり。三浦の2勝目は救援で、初登板から先発で2戦2勝は2リーグ制以降では球団初めて。

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