エンゼルス・大谷 球宴で初安打!予告通りの初カーショー撃ち 出塁後14年ぶりけん制死

[ 2022年7月21日 02:30 ]

オールスター・ゲーム   ア・リーグ3―2ナ・リーグ ( 2022年7月19日    ロサンゼルス )

<全ナ・全ア>カーショーから球宴初安打を放つ大谷(AP)
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 全米を、そして日本中を笑顔にさせた。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が19日(日本時間20日)、第92回オールスター戦にア・リーグの「1番・DH」で出場。初回にナの先発クレイトン・カーショー投手(34)の初球を中前に運んだ。2度目の球宴で初安打を記録した直後には、何とけん制死。映画の都ハリウッドのほど近く、ロサンゼルスのドジャースタジアムを舞台にした「SHO―TIME」は格別だった。

 5万2518人の観衆の視線を一身に浴びたプレーボール直前。1番打者の大谷は現地インタビュアーに「今夜、最も楽しみにすることは?」と問われ、堂々と英語で答えた。

 「First pitch. Full swing. That’s it(初球をフルスイング。それだけ)」

 第1球。左腕カーショーの外角90.9マイル(約146キロ)直球を宣言通り強振した。「いい当たりか、空振りかどちらかがいいかなと思っていた。一番、中途半端な打球だった」。バットを折られながら中前へ。一塁塁上では、しびれた左手を振って照れた。

 球宴での初回表の初球安打は史上3人目。ただ、しっかりオチもつけた。2番ジャッジの3球目の直後、一塁けん制球でアウト。「機会があれば走りたいなと思っていた」と振り返った。球宴でのけん制死は08年以来、14年ぶりの珍記録で「良くも悪くも名前が出てくればいい」と、いたずらっぽく笑った。

 公式戦では通算8打数無安打と抑えられていたカーショーから初安打。「リスペクトしてますと、自分なりの表現です」と打席前にヘルメットのつばに手を触れた。あふれる笑顔も、こんな所作も、球宴の舞台ならでは。3回の第2打席はパドレスの右腕マスグローブから四球を選び、5回に代打を送られ役目を終えた。

 「去年よりリラックスして楽しめた」という2年連続2度目の球宴。クラブハウスでは他球団の選手と同じテーブルで食事をして交流を深め、練習中はシーズン中のライバルたちのケージ内での打撃などを間近で見つめる場面もあった。「投げるか投げないかで疲労度が変わる」。昨季と違って二刀流出場しない代わりに、少なからず収穫もあった。

 「この先、何回も選ばれたいですし、何回もこういう場所でプレーしたい。より頑張りたいなと、後半戦も思わせてくれる」

 前半戦は9勝&19本塁打。「ミッドサマー・クラシック(真夏の祭典)」で日米の野球ファンを笑顔にした3日後、22日(日本時間23日)のチームの後半戦初戦で、敵地ブレーブス戦に先発する。1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成し、新たな物語の主役を演じる。(柳原 直之)

 ▼ドジャース・カーショー(初回に大谷に安打を許すもけん制球でアウトに)振ると分かっていても、オールスターで最初から変化球を投げるわけにはいかない。彼は柵越えを打てなかったから、こっちの勝ちだ。(けん制は)まだ次の球種を決めていなかった。時間稼ぎに一塁に投げたらああなった。

 ≪日本選手による安打は10本目≫球宴での初回表の初球安打は、86年のカービー・パケット(ツインズ)、13年のトラウト(エンゼルス)以来3人目。球宴でのけん制死は08年にカルロス・ザンブラノ(カブス)がミルトン・ブラッドリー(レンジャーズ)を刺して以来14年ぶりとなった。また、日本選手による安打は09年のイチロー(マリナーズ)以来13年ぶりで、通算10本目(イチロー8、松井秀喜1、大谷1)。

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2022年7月21日のニュース