ソフトバンク・中村晃 9回逆転V撃「内容どうこうより勝つことが大事」コロナ禍から再開初戦を一丸で飾る

[ 2022年7月3日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―2西武 ( 2022年7月2日    ベルーナD )

<西・ソ>9回、逆転適時打を放つ中村晃(撮影・尾崎 有希)
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 多くの主力選手が新型コロナウイルス感染で離脱中のソフトバンクは2日、西武に3―2で逆転勝ちした。8回に勝ち越され、1―2で迎えた9回に中村晃外野手(32)が起死回生の2点中前適時打。チームが一丸となって連敗を2で止めた。パ・リーグ40勝一番乗りとなり、この日敗れた2位・楽天とのゲーム差を2・5と広げた。

 二塁代走を送られた中村晃はベンチに戻ると藤本監督と魂のグータッチを交わした。5日ぶりとなった試合で極限の集中力、粘りを発揮して逆転勝ち。中村晃は「内容がどうこうよりも勝つことが大事。勝ってみんなが救われることがある。それが一番かなと思います」と息をついた。

 1―1の8回に4番手・又吉が源田から勝ち越しソロを浴びた直後だった。9回、抑えの増田に食らいつく。先頭の牧原大、柳田が連打で出塁。送りバントなどで2死二、三塁となり、中村晃に打席が回ってきた。2球で追い込まれるも3球続けてボールを見極めてフルカウントに持ち込んだ。6球目のスライダーを中前に運んで2者を迎え入れ、土壇場で逆転。6月は19試合で打率・153と低迷した中村晃だが、勝負強さは健在だった。

 チームは新型コロナウイルスの感染者が続出し、多くの主力を欠く布陣でこの再開初戦に臨んだ。1軍は6月28日から活動休止を強いられ、中村晃は「なるべく家にいる。これが最低限(の予防)かな」と静養した。1日に実施された3度目のPCR検査後にチーム活動は再開され、中村晃は打撃練習20分、ペイペイドーム近くの砂浜を軽くランニングし関東へ移動。ほぼ、ぶっつけ本番で試合に挑んだ。

 柳田を今季初めて4番に入れ、野村大を今季初先発させるなど急造打線で接戦をものにし、藤本監督も興奮気味だった。「晃はよく打ってくれましたよ。うまくはまれば十分やっていける」と手応えを得た。ベンチでは最年長野手の松田が声を張り上げ、雰囲気を盛り上げた。「マッチも頑張ってくれたし、ベテラン、中堅、若手一緒に主力が帰ってくるまで自信を持ってやっていく」と指揮官。窮地でチームが結束し、1勝以上に価値のある勝利をもぎ取った。(井上 満夫)

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2022年7月3日のニュース