大島のプロ注目左腕・大野「省エネを意識」8回115球1失点で春夏連続甲子園へ好発進

[ 2022年7月3日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権鹿児島大会・1回戦   大島10―1薩南工 ( 2022年7月2日    平和リース )

<薩南工・大島>8回を1失点と力投した大島・大野
Photo By スポニチ

 鹿児島大会が開幕し、1回戦2試合が行われた。春夏連続の甲子園出場を目指す大島は薩南工を10―1と8回コールドで下した。プロ注目の最速146キロ左腕・大野稼頭央投手(3年)は8回5安打1失点完投。打っても3安打3打点をマークし、全5打席で出塁と躍動した。

 大野は「序盤からいい形で打たせるピッチングができた。省エネを意識した」とこの夏初戦の投球を振り返った。8回、115球を投げて1失点。余力たっぷりの内容だった。

 この日、直球の最速は最後の8回にマークした144キロ。ほとんどが130キロ台後半だった。「球速で圧倒するより切れのあるボールでバッターを詰まらせる意識だった」。スライダーなど変化球も交えながら丁寧にアウトを重ねた。失点は5回に失策が絡んだ1点だけで自責点は0。打たせて取る意識でも8三振を奪った。

 今春選抜では初戦で明秀学園日立に0―8で敗れた。その後の春季九州大会、県選抜大会ともに初戦敗退と苦しい時期が続いた。大野は「バラバラの状態だった。甲子園に行った満足感に全体が浸ってしまった」と振り返る。夏に向けて全員で話し合い、球際のプレーなどから見直したことで雰囲気が良くなったという。大野自身は直球中心の投げ込みで投球に磨きをかけてきた。

 国内8球団のスカウトが視察し、オリックスの縞田拓弥スカウトは「選抜より真っすぐの質が上がっている。空振りを取れるのが凄くいい」と話し、ロッテの榎康弘スカウト部長は「真っすぐに将来性を感じた」と評価した。打者としても3安打3打点と大暴れした大野は「夏の甲子園に行って、いい結果を出したい」と意気込んだ。(杉浦 友樹)

続きを表示

2022年7月3日のニュース