エンゼルス・大谷 逆転当選へアピール弾!球宴ライバルの“選挙区”で差つけた

[ 2022年7月3日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1-8アストロズ ( 2022年7月1日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>初回、大谷は右越えにソロ本塁打を放つ(撮影・篠原 岳夫)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が1日(日本時間2日)、アストロズ戦で2試合ぶりの18号ソロを放った。19日(日本時間20日)にロサンゼルスで行われるオールスター戦のファン投票の最終投票でア・リーグDH部門で一騎打ちとなるア軍主砲のヨルダン・アルバレス外野手(25)が欠場する中、逆転選出への強烈アピール。チームが16三振を喫し完敗する中、大谷が孤軍奮闘した。 

 名前の連呼は必要ない。ひと振りで十分だ。対立候補の固い地盤に違いない敵地・ヒューストン。大谷が大きな一発で、存在をアピールした。初回、ハビエルの低めスライダーをすくい上げると、打球はミニッツメイド・パークの右翼2階席に着弾。敵地のどよめきはしばらく止まらなかった。

 メジャー通算500試合目の出場。節目の試合で2戦ぶり、メジャー通算111号となる18号先制ソロを放った。試合がなかった前日を「明日は休みなので、切り替えて頑張りたい」と迎えていた大谷がリフレッシュを力に変えた。

 ライバルの目前での宣戦布告弾だった。19日(日本時間20日)開催のオールスター戦のファン投票。前日に発表された1次投票の結果では、DH部門でア軍の主砲アルバレスと約55万票差の2位だった。そのライバルは6月29日のメッツ戦で、守備の際に味方と激突。脳振とうの影響で欠場し、ベンチで戦況を見守っていた。再度、ゼロからの投票となる最終投票は6日にスタート。一騎打ちの先手となる一発になった。

 難攻不落の奪三振マシン撃ちだった。ドミニカ共和国出身の25歳右腕ハビエルは、前回登板だった6月25日のヤンキース戦で7回無安打投球で13奪三振。この日も7回でキャリアハイの14三振を奪い1安打1失点だ。2試合延べ45打者で唯一の安打となり、三振なしも大谷のみ。先制弾に「変わらず前向きでいようと思った」と屈しなかった右腕は、1900年以降の近代野球では15年のシャーザー以来史上2人目の「2戦連続7回以上を投げ、合計被安打1以下での連続2桁奪三振」を成し遂げた。規定投球回に未到達も今季の奪三振率12・3は、両リーグ2位に相当する数字だ。

 大谷は二刀流出場で7勝目を挙げた6月29日のホワイトソックス戦で、降板後の3打席目にフルスイングして腰を気にするそぶりを見せていた。監督代行の代行を務めるレイ・モンゴメリ・ベンチコーチは「(休養を与える)誘惑にかられたが彼は休みたがらない」と不安なしをアピール。チームは黒星を喫したが、巻き返しての逆転当選へ強烈なスタートを切った。(笹田 幸嗣通信員)

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2022年7月3日のニュース