阪神・大山 “幻惑スライス秘打”名手・大島も捕れず満塁一掃三塁打「エラーして迷惑かけました」

[ 2022年7月3日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5-2中日 ( 2022年7月2日    バンテリンD )

<中・神>3回、大山は走者一掃となる適時三塁打を放つ(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 月が変わっても快音は消えない。阪神・大山が、3回2死満塁の好機で走者一掃の適時三塁打。“ゴールドグラバー”をも惑わす弾道の打球を放ち、価値ある追加点を叩き出した。

 「みんなが良い流れで回してくれたので、とにかく還すだけという気持ち。将司を援護することができて良かった」

 島田の右前打で先制し、前を打つ近本、佐藤輝が安打と死球でつなぎ塁はすべて埋まった。託された仕事は1人でも多く走者をホームへ迎え入れること。松葉の投じた初球のチェンジアップを振り抜いた中堅へのライナー性の打球には、意志が宿ったようだった。

 チャージしてきた大島は両膝で滑り込むように捕球を試みた。だが、捕球直前、ゴルフで言う「スライス」のように右方向へ曲がった。慌てて差し出したグラブは、大島の体の正面ではなく左側だった。急な“方向変換”のため後逸。昨年まで4年連続9度もゴールデングラブ賞を獲得している名手をあざむく“秘球”だった。

 「その前にエラーしてチームに迷惑をかけましたし、(伊藤)将司にも苦しいピッチングをさせてしまった。取り返すというか、あの1本は大きかったと思いますし。踏ん張って耐えてくれた。将司のためにも点数を取れたのは良かった」

 2回1死二塁では、高橋周の一塁へのゴロをグラブで捕球できず、後逸する失策をしていた。失点には直結しなかったが、後輩左腕に“倍返し”の援護点をプレゼント。この一打で今季満塁では、9打数5安打13打点と勝負強さも見せつけた。

 6月は10本塁打29打点と大当たりだった一方で、7月初戦の前日は3打数無安打。チームも4連敗と重苦しい空気が漂っていたが背番号3の一振りで暗雲は消えた。「今日はしっかり反省して、また明日頑張りたい」。次の1勝を求めフルスイングを続けていく。(遠藤 礼)

続きを表示

2022年7月3日のニュース