ソフトバンク・千賀 驚異の奪三振率で石井一久超えも視野に

[ 2019年6月7日 09:30 ]

ソフトバンクの千賀
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 【宮入徹の記録の風景】快調なペースで奪三振を積み重ねている。ソフトバンクの千賀は今季73イニングを投げ、奪った三振は97。9イニング換算の奪三振率は11・96と極めて高い。過去、規定投球回数に到達して奪三振率が最も高かったのは98年石井一久(ヤクルト)の11・05。2位は90年野茂英雄(近鉄)が入団1年目にマークした10・99。ソフトバンクでは10年杉内俊哉の10・74(歴代5位)が記録になっている。千賀がどんな数字を残すのか楽しみだ。

 今季の三振奪取内容を見ると73イニングのうち三振を奪ったのは、ほぼ9割に当たる65イニング。試合をまたいで10イニング以上の連続奪取が4度(最多は17イニング)あり2イニング続けて奪三振0は1度だけ。精密機械並みのペースでむらなく奪三振を増やしている。

 プロ入り以来、千賀が通算5打席以上対戦した打者は120人を数える。この中で奪三振0は根元俊一(ロッテ=10打席)、宮崎(DeNA=7打席)、鳥谷(阪神=6打席)、松本哲也(巨人=5打席)と4人。根元、松本は既に現役を引退し、宮崎、鳥谷はセ・リーグに在籍している。つまり、パ・リーグで5打席以上の対戦打者からは全て三振を奪っているのだから凄い。

 個人別の奪三振ランクは(1)レアード(ロッテ)20(2)秋山(西武)19(3)西川(日本ハム)18(4)中田(日本ハム)16(5)鈴木(ロッテ)15(5)中村(西武)15。目につくのが秋山から2番目に多い19三振を奪っていること。被打率も・193に抑えており、球界屈指のアベレージヒッターにつけ入るスキを与えない。

 千賀が順調に三振を奪える背景として、充実した救援陣の存在も見逃せない。千賀の通算先発登板は84試合あって45勝17敗。勝率は・726と高い数字を維持している。6回以上を自責点3点以下のクオリティースタートの試合のみに絞ると60試合で42勝5敗、勝率・894と白星に結びつく確率がさらに上がる。

 先発専任になった16年はストッパーのサファテが43セーブ。翌17年もサファテがプロ野球新記録の54セーブと大車輪の活躍。昨年は森がリーグ最多の37セーブを挙げ、今季もここまでリーグ2位タイの15セーブと安定している。

 実際、千賀の完投試合は16年3試合、18年1試合の計4試合と少ない。1試合130球以上を投げた試合は8試合だけで、自身の先発試合で2試合連続130球以上は1度もない。全力投球を可能にする限定された環境。そして投手出身の工藤監督の絶対エースに対する細かい配慮。ソフトバンクのチーム戦略に新たな記録を生む土壌があるようだ。

 今月4日からセ・パ交流戦が始まったが、千賀の交流戦通算奪三振率は11・14。パ・リーグのみの通算奪三振率が10・26だからセ・リーグ相手の方が上。ローテーション通りなら7日のマツダでの広島戦の他、14日からのヤフオクドームでのDeNA戦、21日からの東京ドームでの巨人戦と3カードでの先発となるだろう。特にDeNA戦では、宮崎から初めての三振を奪えるかにも注目。交流戦での圧巻の投球を期待したい。

 ◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。

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