おかやま山陽・堤監督 ジンバブエ率いて東京五輪予選出場も本戦進出ならず

[ 2019年6月7日 07:00 ]

ジンバブエ代表チームの監督を務めた堤尚彦氏(中央)
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 夢の実現はならなかった。5月上旬、東京五輪出場をかけてジンバブエがアフリカ予選に臨んだが、3位に終わり、本戦進出はならなかった。

 その代表チームを率いたのが、おかやま山陽で2度の甲子園出場を果たしている堤尚彦監督だった。文字通りの二足のわらじ。春季岡山大会の指揮はコーチ陣に託すという、異例の挑戦だった。

 ジンバブエとのつながりは、1995年にさかのぼる。東北福祉大を卒業後、青年海外協力隊の一員として赴任。2年間、野球の普及に東奔西走した。その際、サポート役を務めたのが、ジンバブエ野球協会会長のモーリス・バンダ氏だった。そのモーリス氏が15年4月、堤監督と再会するために来日。その後、代表監督の就任を依頼し、新たな二人三脚が始まった。

 堤監督を突き動かすもの――。それは「世界に野球を普及させたい」という思いにほかならない。日本が野球大国であることは揺るぎない事実だが、20年の東京五輪に参加するチームは開催国の日本を含めて6カ国しかない。その日本でも子供たちの野球離れが進んでいるだけでなく、次回のパリ五輪では再び実施競技から外れることも決定している。

 「アメリカと並ぶ野球大国であるはずが、いよいよ“日本でも野球の普及を”ということまで聞こえてくるようになっています。アフリカでの野球の普及というよりも、日本球界へのメッセージという意味合いも強く持っています」

 そんな思いを抱きながら臨んだアフリカ予選。その模様は8日放送予定のテレビ東京系「スポーツウォッチャー」で放映される。
  

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