阪神 島本、プロ初S 前月セーブ機会失敗の借り返す3人斬り

[ 2019年6月7日 05:30 ]

交流戦   阪神4―3ロッテ ( 2019年6月6日    ZOZOマリン )

<ロ・神>最後を締めた島本(右)をねぎらう矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 借りを返す格別の瞬間だった。6日のロッテ戦で阪神・島本が、1点リードの延長10回を3人斬りでプロ初セーブをマーク。9年目の苦労人がまた一つ成長の跡を記してみせた。

 「先頭(打者)で良いプレーしてもらった」。香月の二遊間へのゴロを同い年の糸原が捕球しジャンピングスローでアウトにして、救ってくれた。2死から最後は岡を右飛に仕留めると、マウンド上で真っ先に駆け寄った梅野に体を抱き寄せられ喜びを分かち合った。支えられ、励まされた3つのアウトに「梅野さんが本当に喜んでくれたのはうれしかった」と会心の笑みを浮かべた。

 矢野監督が「今日は休みと決めていた」と説明したようにジョンソンを使えず、6回から今季初登板の小野を2イニング起用する苦しい台所事情もあった中で“締め”を担った背番号69に、指揮官も「島本とリュウ(梅野)、こいつらすごい成長した」と驚嘆の声を挙げた。

 「ヤクルト戦で1回失敗しているのに今日は1点差で行かしてもらって。やり返す気持ちでいました」

 反骨心を胸に過ごした1カ月だった。5月8日のヤクルト戦で2点リードの延長12回に登板も、同点に追いつかれプロ初セーブは幻に終わっていた。いつも以上の疲労感に襲われ、重い体をホテルのベットに預けていると矢野監督からLINE(ライン)が届いた。

 「今日のことは気にするなよ。俺の責任やから」。画面を見つめながら、自然とスマホを握る力は強くなった。「絶対にやり返します」。その日返した言葉を体現するような魂の10球が、監督への“返信”になった。

 開幕前、昨年まで50試合としていた1軍での目標を監督に直接「70試合投げます」と力強く宣言。この日で16年の自己最多23試合に並んだ。踏み出す未知の領域から一気に殻を破る。(遠藤 礼)

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