高野連 障害予防へ歴史的一歩 課題解決へ継続的かつ幅広い交流を

[ 2019年4月30日 09:45 ]

障害予防に関する有識者会議に出席した(左から)早大・小宮監督、慶大・中島隆信教授、日本ソフトボール協会の宇津木妙子副会長
Photo By スポニチ

 26日、日本高野連が都内で投手の障害予防に関する有識者会議を開いた。新潟県高野連の投球制限導入に端を発した会議。すべての議論や発表が公開で行われ、歴史的な一歩を踏み出した。

 新潟の投球制限は大きな問題提起となっただけに、会議の中でもそれに呼応する声は多かったが、そもそも投球制限まで持ち出さなければならない状況になぜなってしまったのかを検証する必要があると感じた。

 特に早大野球部の小宮山悟監督は「高校に入る前におかしくなっている可能性も否定できない。そこを把握しないといけない。高野連だけで取り組むべき問題ではなく、小、中学校からしっかり議論を戦わせないといけないのでは」と提言。実際、筑波大の川村卓監督からは大学でプレーする選手のうち95%が小中高のどこかで故障しているという現実も示された。

 この日の参加者は中学軟式、高校硬式、大学硬式、ソフトボール、医師、弁護士といった有識者だった。今後、エビデンスを集めて検討をしていく方針だが、小学生レベルの指導者や故障しなかった人、逆に故障で野球を断念した人を招いて証言を得るのはどうだろうか。ビジネスソリューションやマーケティングの専門家を出席者に交え、課題解決を試みても良いと思う。

 また全国加盟校の投手へアンケートを実施して、問題を洗い出すことも必要だろう。紙のアンケートでは指導者の目にふれることを恐れて本音が出ないかもしれない。それならインターネットのアンケートにし、直接回答を入力できるようにするのも一つの手だ。

 そう簡単にはいかないだろうが、たとえば「故障しないフォームを習いたい」という意見があれば、学生資格を回復した元プロに指導要綱を共有してもらって講師として派遣するなど、セカンドキャリア形成のきっかけ作りにできないだろうか。アドバイスの取捨選択のために現場の指導者もさらに勉強や受け入れが必要となり、スキルアップが見込める可能性もあるだろう。

 そして、よく言われる「小さい時に正しいフォームを教わっていれば、壊れることはない」という中で「正しいフォーム」とは何なのか。それぞれがどうとらえ、どう教えているのか。どうやって伝達していけば浸透するのか。地道な作業が求められている。

 高校に入るまで、高校野球の3年間、そして卒業後。親になってもキャッチボールができる大人が増え、故障が少ないスポーツとなれば競技人口の回復は見込めるはずだ。障害予防は競技人口の底辺拡大にまでつながっている。日本高野連が起こしたアクションを球界全体、全世代の問題として真剣にとらえるべき時が来た。

 今回の会議は4回にわたり、11月には結論を出す方向だが、それで終わりではなくもっと発展的に、様々なカテゴリーが交流して継続されていくことを願う。(記者コラム・松井 いつき)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年4月30日のニュース