イチ「野球の研究者でいたい」異例の“神契約”「喪失感ない」

[ 2018年5月5日 05:30 ]

マリナーズの会長付特別補佐に就任し、記者会見するイチロ(AP)
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 マリナーズは3日(日本時間4日)、イチロー外野手(44)がメジャー出場の前提となる40人枠を外れ、会長付特別補佐に就任したと発表した。今季残り試合はプレーしないが、来季以降は可能。異例の「フロント兼選手」として今後もチームに同行する。記者会見で選手復帰への思いものぞかせた。日本開催となる来年3月20、21日の開幕アスレチックス戦(東京ドーム)が目標となる。

 背番号51のユニホームに帽子、サングラス。前日と何一つ変わらない姿だった。イチローは穏やかな表情で記者会見に臨んだ。「これが最後ではないということを、お伝えする日になった」。来季以降プレーする道が与えられた異例の契約に「チームがそういうスタンスでいてくれるのは、本当に信じられないこと」と感謝した。

 今季はプレーしないことが決まったが、プロ27年目、メジャー18年目は特別なシーズンだった。「(3月に契約が)決まってから、この時間は僕の18年間の中で最も幸せな2カ月だった。監督はじめ大好きなチームメートになりましたし、大好きなチーム」。正左翼手ギャメルが故障から復帰すれば自身の去就に影響することは本人も分かっていた。「(ロースターから外れる)この日が来る時は僕が辞める時だと思っていました。その覚悟はありました」。そこで提案されたのが球団のプランだった。

 ジェリー・ディポトGMはイチローについて「彼はダライ・ラマのような存在だ。みんなが教えを請いにいくという意味で」と評した。試合前はナインとともに練習し、ベンチに入れない試合中は打撃ケージやビデオルームで選手たちにアドバイスする。ジョン・スタントン会長は「偉大な野球選手として、これからもいてくれることをうれしく思う」と語った。球団の提案を受け入れたイチローは、チベット仏教の最高指導者に例えられたことに驚きつつ「僕用の袈裟(けさ)でも用意しますか」と笑った。

 「フロント兼選手」の立場はメジャーで前例のない挑戦となる。しかし、日米通算4367安打を放ち「(現役は)最低50歳」とするレジェンドにとっては、望むところ。「(今季プレーできない)喪失感みたいなのは実はないんですよね。野球の研究者でいたい。プレーしていなかったとしても、毎日鍛錬を重ねることでどうなれるのかを見てみたい」と言い切った。

 45歳5カ月で迎える日本での開幕アスレチックス戦出場が目標となる。「この判断をしてくれたことに応えたいという思いが生まれるのは当然じゃないですか」。会見を終えると、普段通りに練習へ向かった。

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