旭化成が大会新で4連覇 最多優勝記録25回に更新 ノーベル賞効果!吉野名誉フェローが5連覇へエール 

[ 2020年1月2日 05:30 ]

第64回全日本実業団対抗駅伝競走大会「ニューイヤー駅伝」(スポニチ後援) ( 2020年1月1日    群馬県庁前発着=7区間、100キロ )

<ニューイヤー駅伝>4連覇を果たしガッツポーズでゴールする旭化成のアンカー・鎧坂(撮影・郡司 修)
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 令和初の上州決戦を制したのは常勝軍団の旭化成だった。4時間46分7秒の大会新記録で4連覇を達成し、最多優勝記録も25回に更新。6区(12・1キロ)で高卒2年目の小野知大(20)が区間新記録の走りでトップのトヨタ自動車を逆転。平成で12度の優勝を数えた名門が令和でも歴史に名を刻んだ。2位は4時間48分36秒でトヨタ自動車。Hondaが4時間49分30秒で3位だった。

 上州路に4年連続で“旭”が昇った。アンカー鎧坂哲哉(29)が4本指を掲げて堂々のフィニッシュ。「2連覇と4連覇。どちらのゴールテープも切れてうれしい」。前回大会4秒差の冷や汗Vから一転。平成最初の駅伝を制した名門が新時代・令和も先頭で切り開いた。

 大分・鶴崎工高から入社2年目の6区小野が圧巻の走りでトヨタ自動車との一騎打ちにけりをつけた。箱根駅伝に憧れはなく「マラソンなら旭化成」と入社した弱冠20歳は難コースとして知られる6区の区間記録保持者の市田宏から「慌てずにペースを守れ」とのアドバイスを忠実に遂行した。

 4キロ過ぎにトップのトヨタ自動車を追い抜くとそこから本領発揮。市田の記録を30秒以上も上回る激走で優勝を決めた。中学時代には全国中学駅伝で30人抜きを達成していた逸材も「中学以来の全国の舞台で緊張していた」という。駅伝デビューを終えると「これで名前の通りにみんなに知ってもらえた」と笑顔を見せた。

 ノーベル賞効果にも後押しされた。昨年10月に同社の吉野彰名誉フェロー(71)がノーベル化学賞を受賞。その吉野さんが前橋を訪れて4連覇を目指すチームをゴールで出迎えた。西監督は「福が来ているな」と優勝を“確信”していた。吉野さんは「5連覇を目指してほしい」とエールを送っていた。

 過去に2度の6連覇を達成した名門チームが五輪イヤーに目指すのは東京五輪出場だ。マラソン代表の服部を抑えて5区区間賞を獲得した村山謙太(26)は最後の1人目を決めるファイナルチャレンジ選考大会の一つ、東京マラソンに参戦することを表明。3人目に滑り込むには大迫傑(28=ナイキ)が18年にマークした2時間5分50秒を1秒上回る記録が必要だが、自己ベスト2時間8分56の村山は「マラソン不振続きと言われたので非常に悔しかった。区間賞をステップに頑張りたい」と気合十分。令和も“旭”は沈まない。

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