菊水丸店主 珍宝堂

戦時下の感謝状に思う「小圓嬢師匠のような活動出来たら」

[ 2020年5月6日 05:30 ]

陸軍大臣・東條英機から浪曲名人・先代京山小圓嬢師匠に贈られた感謝状
Photo By 提供写真

  自宅地下資料室には、陸軍大臣の東條英機と板垣征四郎、海軍大臣の吉田善吾からの感謝状が飾ってあります。これは、戦前からの浪曲名人・先代京山小圓嬢師匠に贈られたもの。今から約30年ほど前、大阪市阿倍野区の古書店で資料類をまとめて購入した際に台本とともに入っていたのです。

 戦時下、芸人として生き延びるために軍隊慰問ヘ赴き、国防資材を献納、金品を寄付したという歴史。私もこの時代に生きていたならば、同じことをしたのだろうなぁ…と、平和な時代に芸人として活動できることの幸せを感じていました。

 それが、コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が発出され、生活様式が一変。人とのコミュニケーションを大切にしてきたはずなのに、人との接触機会を減らすことが大切になるとは…。まさに、第3次世界大戦との声も聞こえてきます。見えない敵との戦時下を迎えて、小圓嬢師匠のように生き延びるための活動ができるでもなく、ただひたすらにステイホームするしかないのが辛いところですなぁ。(河内家菊水丸)

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