菊水丸店主 珍宝堂

未開封50年もの「ミリンダ」のお味は!?

[ 2020年7月1日 05:30 ]

お気に入りの昭和40年代製造のミリンダを手にポーズ
Photo By 提供写真

 私が住んでいる京都府南山城村に隣接する三重県伊賀市。そこに、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」をはじめ、昭和を舞台としたドラマ等に大道具と小道具を貸し出している昭和ハウスがございます。懐かしの駄菓子屋さんも経営する冨永潤さん。

 私の昭和飲料コレクションは、ほとんどが冨永さんからの寄贈品。お気に入りは、王冠に合成着色飲料グレープと表示された昭和40年代製造のミリンダ。「2本手に入りましたから、1本どうぞ」と頂いたのですが、ある時に、映画会社からの注文でミリンダを「栓は抜かないで下さい」との条件で貸し出したそうです。当然、未開封の50年もの。

 撮影当日、見学していた冨永さん。夏の夜のシーン。汗まみれの某有名俳優が、冷蔵庫からミリンダを取り出す。栓を抜く瞬間が来た。しかし、監督から「カット」の声がない。すると、スポン!と栓を抜き、あろうことか、ゴクンゴクンと喉を鳴らして飲み干して、満足そうな表情を浮かべたらしい。

 そこで「はい、カーット!うん、良かったよ!!」と監督。俳優は「ありがとうございます」。あぜんとした冨永さん。後日「凄い世界ですね」と私におっしゃる。果たして、どんな味がしたのか?その俳優に会ったら、ぜひとも聞いてみたい。(河内家菊水丸)

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