橋下徹氏 “少年A”記録廃棄に「僕が問題視しているのは、裁判所が調査しないと言ってること」

[ 2022年10月23日 17:31 ]

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏
Photo By スポニチ

 元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(53)が23日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の全記録を神戸家裁が廃棄していた問題について言及した。

 少年事件の記録に関しては、一般的に少年が26歳に達するまで保存が義務付けられているが、裁判所の内規では「史料または参考資料となるべき」事件記録については永久的な保存を義務付けており「特別保存」と呼ばれている。最高裁が92年に出した通達では、特別保存する事件について「全国的に社会の耳目を集めた事件」などと記載している。家裁は廃棄の経緯は「不明」とし「現状の運用からすると(記録廃棄は)適切ではなかった」とする一方、廃棄の経緯の調査について「行うという予定はない」としている。

 梅津弥英子アナウンサーが「どういう経緯で廃棄されたかってことが、まだよく分かっていないようなんですけれども」と話を振ると、橋下氏は「僕が問題視しているのは、裁判所の方が調査しないって言ってること。ここの職員にも聞いていかない。これはあくまでも組織の問題で、組織が不適切だったことは認めます、だけど個々人の職員にある意味、問題はなかったと。組織の問題だから個人の問題じゃない、だから調査はしない。それから記録なので、ご遺族に対しても別に謝罪はしないと。これ組織の対応としては言語道断ですよ」と語気を強め、「1992年にこの保存の通達というものが各裁判所に出されているんです。この事件の5年前に。何が問題だったかっていうと、役所でよくあるパターンなんですが、通達だけ現場に出して、後は投げっぱなし、現場に任せっぱなし。本当にそのルールが守られているかどうかをきっと監督していない」と指摘した。

 そして「裁判所ってちょっと複雑な組織で、各裁判については裁判官の独立が認められているから、最高裁の裁判官と各家庭裁判所とか下級裁判所の裁判官が上司、部下の関係ではないんです」と解説したうえで、「ただし記録の保存とかこういうことは司法行政といって、ある意味、行政的な側面で、ここは最高裁が下級裁判所をしっかり監督しなさいよってことが裁判所法にもある。だから僕は今回の1番の問題点は、1992年に保存のルールを最高裁が各裁判所に出したのに、その後、きちっと守られているかどうかをチェックしていなかった。この最高裁の責任、それからなぜ現場がこのルールを守れることができなかったかっていうところを検証して、ルールを守るっていうのは個々のメンバー、職員だったり従業員だったり意識の問題だから、意識の確認はしなきゃいけない。それをやらずに、今後はちゃんとやりますからなんていう最高裁の対応っていうのは僕はあり得ないと思う」と自身の見解を述べた。

続きを表示

2022年10月23日のニュース