藤井聡太5冠「収穫」「充実感あった」、「いい思い出」も 王位戦3連覇から一夜

[ 2022年9月7日 10:20 ]

<王位戦 第5局 一夜明け>王位戦3連覇の藤井王位は手で数字の「3」をつくる(撮影・西海健太郎)
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 静岡県牧之原市の平田寺(へいでんじ)で5、6日に行われた将棋の第63期王位戦7番勝負第5局を制し、3連覇を達成した藤井聡太王位(20)=王将、竜王、叡王、棋聖含む5冠=が一夜明けた7日午前、同市内で記者会見した。

 一問一答は以下の通り。

 ――防衛から一夜明けた心境は?
 「今シリーズはどの将棋も難解な対局ばかり。その中で結果を出せたのはうれしいですし、自分にとってそういう難しい将棋を長い持ち時間のなかで考えることが出来たのは収穫だったのかなと感じています」

 ――昨夜はゆっくり過ごせた?
 「しばらくはきのうの将棋のことを振り返っていたんですが、ずっと考えていたということではなくて、普段通りの時間に寝ました」

 ――きのうは藤井王位の理想とされるような将棋。充実感のようなものはあった?
 「きのうの将棋に関してはミスもありましたけど、ただ自分なりに粘り強くといういか、難しい局面のなかで崩れずに指すことができたので、その点は充実感がありました」

 ――豊島九段との前期対戦では序盤に主導権を握られることが多く、特に後手での対応がポイントになると話していた。今期はそのあたり改善できたと感じたか?
 「前期と比較すると序盤で離されずに、難しい形勢で中盤以降の戦いに持ち込めたかなと思う。その点は前期よりよくできたのかなと思っています」

 ――今シリーズ、将棋以外で印象に残ったことは?
 「(熟考後)第2局の北海道・定山渓ですとか、本局の牧之原と初めて行くところが多く、自分自身楽しみながら対局することができた。(佐賀県)嬉野市で予定されていた第4局は延期になってしまいましたが、自分が現地に向かうことができて、いい思い出になりました」

 ――次のタイトル戦は10月開幕の竜王戦。対戦相手に決まった広瀬章人八段の印象は?
 「広瀬八段とタイトル戦で対戦するのは初めて。長い持ち時間だと読みの深さというのがすごく出ていると感じるので、それに対し自分もしっかり対抗できるようにやっていければと思います」

 ――今年のタイトル戦は5回とも違う棋士が相手。去年とは異なるが、準備や研究で負担が増えることは?
 「これまでタイトル戦では違う方との対戦になっているが、自分の場合は相手に合わせて作戦を大きく変えることはしていないので、これまでと変わらないペースで対局に臨めていると思っています」

 ――今シリーズは5局すべてで角換わり戦型。タイトル戦ではどんなことを考えて作戦を決めている?
 「戦型選択はそれぞれの対局の時に自分の中でテーマになっている、最も指してみたい形を選んでいます」

 ――タイトル戦で日本各地を訪れているが、今後乗ってみたい鉄道は?
 「うーん、今月は西九州新幹線が開業するので、どこかのタイミングで乗りに行く機会があればと思っています」

 ――以前は序盤戦を研究課題として挙げていた。現在は?
 「きのうの対局のような、定跡から外れた中盤戦で、どう局面を判断し、どういう構想を立てて指してくのがいちばん難しいところ。簡単ではないですが、そういう力というのをちょっとずつ上げていかなければならないかなと思います」

 ――その力は現在、ちょっとずつ付いている?
 「そうですね…うーん、難しいですが、なんというか今までよりはもちろん良くなっているところはあるかな、と。今後も対局を通してちょっとずつ力を付けていけたらと思っています」 

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