TKO木本が金を預けた男性は「無登録業者」だった 刑事事件発展の可能性 実態のない運用も?

[ 2022年7月26日 05:31 ]

「TKO」の木本武宏

 お笑いコンビ「TKO」の木本武宏(51)の巨額投資トラブルで、木本が金を預け、連絡がつかなくなっていた男性が「無登録業者」だったことが25日、分かった。木本の個人事務所が明らかにした。男性は金融商品取引法で義務づけられる登録をしておらず、刑事事件に発展する可能性が出てきた。また、実態のない運用をされていた可能性があることが分かった。

 金商法では、他者からの出資により投資などを行う業者に対し、財務局などに届け出ることを義務づけている。違反した場合は「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」。木本の事務所は男性について「トラブル後の調査で無登録業者だと判明した」と明らかにした。

 亀井正貴弁護士は「無登録業者はごまんといるが、実際に摘発されるのは金額や出資者が多いなどの理由で目立ってきたケース。今回は明らかに目立ってきているので、警察も情報収集を始めているのでは」と指摘した。

 木本は男性が無登録業者だと知らずに、友人のタレントらに投資話を持ちかけていた。男性への出資金は総額7億円以上とされ、これには木本が関わっていない出資も含まれるとみられる。事務所は「(木本は)運用には関わっておらず、男性を紹介しただけ」と説明。金銭のやりとりも男性と紹介者が直接行っていたとし、紹介時の手数料や謝礼も「一切受け取っていない」としている。

 木本の事務所によれば、男性の投資内容は外国為替証拠金取引(FX)や不動産投資だった。木本は男性と2、3年前に知り合い、1年ほど前に持ちかけられて投資を始めた。運用がうまくいったため仲の良い知人らに「もうけさせてあげたい」と男性を紹介したという。純粋な善意から、手数料や謝礼を受け取っていなければ、木本に金銭的メリットはない。一方で「投資規模が大きいほど、投資は有利になるという考えが木本さんにあり、出資仲間を集めた可能性もある」(関係者)という。

 その後に配当金が滞るなどし、昨年末から男性と電話連絡もつかなくなった。出資者に返金されず、事務所側は「実態のない運用をされていた可能性が否定できない」として調査を進めている。木本自身も被害者となる形だが「自分が紹介していなければ騒ぎにはならなかった」として、自身が立て替えて一部の出資者に返金をしている。男性とは互いに代理人を立てて協議しているが、すぐに返金される見込みはないもよう。木本側は男性に対して刑事、民事の両面で法的措置を取ることを検討している。

 《謝礼などなければ罪に問われず》亀井弁護士は「手数料などを受け取っていない前提とすれば、木本さんが罪に問われる可能性はないだろう」とした。一方で、手数料や謝礼などを受け取っていた場合は異なり「木本さんも無登録業者と判断される可能性も出てくる」と指摘。「男性を紹介していた行為や、仮に金融商品についてアドバイスしていたりすれば、無登録で勧誘したとみなされるかもしれない」と話した。

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2022年7月26日のニュース