島田陽子さん死去 69歳、大腸がん闘病 国際女優の一方で波瀾万丈 不倫、借金、ヘアヌード、AV

[ 2022年7月26日 05:30 ]

米国のドラマ「将軍 SHOGUN」に出演する島田陽子さん(中央)。右は三船敏郎さん
Photo By ゲッティ=共同

 米ドラマ「将軍 SHOGUN」で日本人女性初のゴールデングローブ賞に輝いた女優の島田陽子(しまだ・ようこ、本名中村陽子=なかむら・ようこ)さんが25日午後0時57分、大腸がんによる多臓器不全のため都内の病院で死去した。69歳。熊本県出身。3年ほど前から大腸がんと闘っていた。1980年代に「国際女優」と呼ばれ人気を集めた一方で、私生活のトラブルでワイドショーの主役になることも多く、波瀾(はらん)万丈の人生だった。

 島田さんは3年ほど前に大腸がんを患い、入退院を繰り返していた。事務所関係者によると、抗がん剤治療は行わず、入院中も近い関係者に好きな食べ物を届けてもらうなど、普段通りに暮らしていた。

 最後に入院したのは先月下旬。今月21日午後まで異変はなかったが、同日夜に大量に出血。その後は食事や会話ができなくなり、意識も混濁したという。25日午前11時ごろに危篤の連絡が病院から入り、関係者が駆けつけたが最期に間に合わず。病院関係者にみとられて旅立った。「つらい闘病を感じさせない、りんとした表情だった」という。葬儀は近親者のみで執り行われ、後日、お別れの会が開かれる予定。

 仕事への意欲は絶えなかった。1年ほど前から、自身の英雄だった革命家、チェ・ゲバラに関するドキュメンタリー映画「Evergarden」のプロデュースを進めていた。関係者によれば、近く撮影に入る予定で、先月にはアルゼンチン人の監督と病室で会っていた。自身がナレーションを担当。導入部の映像にも登場予定で、京都で着物姿での撮影を控えていた。別の作品のプロデュースにも意欲を見せていた。

 島田さんは中学時代に劇団若草に入団した。71~72年にNET(現テレビ朝日)のドラマ「続・氷点」でヒロインを演じ、一躍ブレーク。最終回の視聴率が42・7%を記録した。74年に中村雅俊(71)主演の青春学園ドラマ「われら青春!」(日本テレビ)でヒロインの女性教師を演じると、若い世代の間でも人気が広がった。

 女優として最も評価されたのが、日本では映画として公開された米国のNBC制作のテレビドラマ「将軍 SHOGUN」(80年)のヒロイン役。同作のヒットで「全米の恋人」と呼ばれた。同作では米アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞。これ以降「国際女優」と呼ばれ、「SHOGUN」出演後の米映画出演料は一時、三船敏郎さん(享年77)を超えたとも言われた。81年には日系米国人マラソン選手の故ゴーマン美智子さんの自伝「走れ!ミキ」を映画化した「リトルチャンピオン」に主演した。

 プライベートでは“お騒がせ女優”として話題となった。19年に亡くなった内田裕也さん(享年79)とは87年から4年間、不倫交際。88年に米ハワイでの密会を写真誌に報道され明るみになった。裕也さんは島田さんと結婚しようと、妻で女優の樹木希林さん(18年死去、享年75)に離婚を申し入れたが、希林さんは拒否。裕也さんが離婚届を提出したのに対し、希林さんが離婚無効の訴訟を起こして勝訴。離婚は成立せず、裕也さんと島田さんは結婚できなかった。

 島田さんは94年にテレビの照明技術者と結婚。19年7月に離婚した。本人によると、内田さんとは破局後も友人関係が続いたという。金銭トラブルも相次ぎ、92年にはヘアヌード写真集を発売、11年には57歳でセクシー女優としてデビューし話題に。紆余(うよ)曲折の多い生涯だった。

 ◇島田 陽子(しまだ・ようこ、本名中村陽子=なかむら・ようこ)、1953年(昭28)5月17日生まれ、熊本県出身。高校3年のとき、1万2000人以上の公募を勝ち抜きNET(現テレビ朝日)系ドラマ「続・氷点」にヒロイン役として出演し、デビュー。76年に菅原文太主演の映画「トラック野郎・望郷一番星」に3代目マドンナとして出演。同年、映画「犬神家の一族」でヒロイン役で存在感を示す。映画製作プロデューサーとしても活動。

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