大山加奈さん うつ克服体験語る、医師の言葉・愛犬に感謝「今はすごく幸せ」

[ 2022年4月23日 21:21 ]

バレーボール元日本代表の大山加奈さん
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 バレーボール女子元日本代表でスポーツ解説者の大山加奈さん(37)が23日放送の日本テレビ「世界一受けたい授業」(土曜後7・56)にVTR出演し、うつ克服体験を語った。

 番組は「うつとの向き合い方」を特集。VTRで登場した大山さんは現役時代、うつに悩んでいた時期があったと振り返った。高校在学中に日本代表に選ばれ2004年、20歳の時にアテネ五輪に出場した。「パワフルカナ」の愛称で日本のエースとして活躍。周囲の期待などがプレッシャーとなっていたとし、「20歳になる前、代表に選ばれて。ベッドに入っても朝3時4時まで眠れない状態が続いていました」と打ち明けた。「日本のエースと呼ばれる重圧だったりとか、小中高と全て全国制覇してきているんですね。常に世代のトップを歩んできて、日本一以外意味がない、価値がないと思ってしまっていた」と当時の心境を話した。

 それでも「なんとかしがみついて(現役を)続けてきたという感じ」。睡眠導入剤を飲みながらプレーすることもあり、徐々に症状は悪化した。「電車に乗って『大山さんじゃない?』って声が聞こえただけで汗が止まらないし、座り込んでしまうみたいなことも何度もありました」と赤裸々に告白した。

 自分の弱さを人に見せることは、勇気がいることだった。「五輪に行けるのはたった12名で、そこに生き残るためにみんな必死なので。チームメートには話はできなかった。本当に孤独になってしまった時期があったんです」。そんな状況に耐えられず、担当医師だけに相談した。「精神安定剤、抗うつ剤」を処方され、「自分はそう(うつ)なんだと知りましたね」

 そんな彼女を救ったのは、医師の言葉だった。「大山さんのように悩んでいるアスリートはいっぱいいる、大山さんだけではないよ」と言われ、「自分は何でこんなに弱いんだろうって思っていたので、私だけじゃないんだなって、その言葉を聞いて心がちょっと楽になったんですね」とした。

 また、柴犬「だいず」を飼い始めたことも大きかったそう。「愛犬を迎えてから、自分のことを絶対的に必要としてくれる存在が出来て。この子がいたら大丈夫かもって、そこからはお薬もやめられましたし、辛いこと苦しいことがあっても落ち込まなくなった」と語った。

 2015年に一般男性との結婚を発表、昨年には双子の女児が誕生した。うつの際は「苦しくて辛くて、この先私の人生どうなるんだろうって思っていた」としつつ、「今はすごく幸せに毎日過ごしていますし」と穏やかな表情。「自分の経験を伝えることで、少しでも救われる人がいる。誰かの役に立てているというのがすごく幸せだなと思うので、経験してよかったなと思っています」と話していた。

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2022年4月23日のニュース