CAS仲裁人・早川吉尚氏 ワリエワ問題に「私が仲裁人に選ばれていたら出場停止という逆の判断を」

[ 2022年2月17日 13:28 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 日本アンチ・ドーピング規律パネル委員長で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)仲裁人も務める、立教大学法学部教授で弁護士の早川吉尚氏が17日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。昨年12月のドーピング違反が発覚しながら北京五輪出場継続が認められ、フィギュアスケート女子SPで1位となったカミラ・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会=ROC)について言及した。

 15日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ワリエワからは禁止薬物トリメタジジン以外に、心臓疾患の治療に使用される「ハイポキセン」「L―カルニチン」が検出されたことが明らかになった。ともに禁止物質ではないが、ダイエット効果がある「L―カルニチン」は注射などによる制限値を超えた投与は禁止。心臓への酸素供給を助ける「ハイポキセン」は米国反ドーピング機関(USADA)が最近、禁止薬物指定を訴えて実現しなかった。USADAのタイガート委員長は3種類の薬を組み合わせた服用の利点を「持久力の向上、疲労の軽減、酸素消費効率の促進」と説明。世界反ドーピング機関(WADA)は、2種類の薬物検出はトリメタジジンを誤って摂取したとのワリエワの主張と合わないと指摘している。

 早川氏は「私が仲裁人に選ばれていたら出場停止という逆の判断をしていた」とし、「私もスポーツ仲裁裁判所の仲裁人ですので、今回、北京に詰めている可能性もあったんですが、もし(仲裁人の)3人に選ばれているとしたならば、この問題については禁止物質の中には2種類あって、悪質性の高いものと低いものに大きく分けることができる。低いものなら別段、高いものの時には有無を言わさず白黒はっきりつくまでは仮に出場停止となるというのがルール上、明確なんですね。であるにもかかわらず16歳に満たないということで特別措置をとったということですね」と説明。

 その上で「それは明文上は書かれていないことでありますので、解釈問題で言えばそういうこともできるんですが、私でしたらば、原理原則の方を貫いたというふうに思いますね」と自身の考えを述べた。

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2022年2月17日のニュース