広瀬八段 超攻撃的で開幕を制す 王将戦挑戦者決定リーグ始まる

[ 2021年9月24日 05:30 ]

開幕戦を制し感想戦を行う広瀬八段 (撮影・村上 大輔)
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 将棋の第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは23日、東京都渋谷区の将棋会館で開幕。第69期挑戦者の広瀬章人八段(34)が76手で豊島将之竜王(31)を下し、1勝目を挙げた。同リーグは11月24日の最終日まで7棋士による総当たり戦を行い、成績最上位者が来年1月開幕予定の7番勝負で渡辺明王将(37)=名人、棋王含め3冠=に挑む。

 長いようで短い、濃密な2カ月が始まった。

 開幕局で両者が志向したのは再流行も華々しい相掛かりだ。飛車先の歩を進め合う超攻撃的な戦型は、あの藤井聡太3冠(19)も多用して一大ブームになりつつある。「最近注目されていてテーマ図でもあったので、ちょっとやってみようかなというところ」とは後手番・広瀬の弁。序盤は1歩損を強いられたものの、相手の出方を慎重にうかがう受動的な姿勢に徹し迎えた中盤だった。

 じりじりとした展開に業を煮やした豊島が先に突っ掛けた51手目▲5六角を見てカウンター。54手目△5五角とぶつけ、問答無用の攻め合いに引きずり込む。「際どい変化が多く、読み切れたわけではないが、その順に期待しました」。盤面は期せずして一気に終盤戦。1歩の大きな踏み込みに加え、2枚の桂までも攻撃に参加させ、勝利への道を確実に進んでいく。持ち時間を36分余しての会心譜が残った。

 広瀬―豊島戦のリーグ対決といえば、昨年10月15日の死闘があまりにも有名だ。広瀬優位で迎えた終盤に豊島が捨て身の入王作戦を敢行。持将棋(引き分け)が成立し、指し直し局も広瀬が勝利目前で逆転負けを喫している。対局終了は日付の変わった16日午前0時44分。記録上は1敗だが、広瀬にとっては1日で2敗したに等しい苦い経験だ。

 1年前の屈辱をささやかながら晴らした広瀬は「初戦の結果が今後のモチベーションに大きく影響する。いいスタートを切れたのかなと思います」と、マスクの下に柔和な表情を浮かべた。現役竜王を一蹴しての発進は、2期ぶりの王将挑戦実現に向け大きな意味を持つ。10月4日の次戦で藤井を倒せば、その勢いも加速度を増すに違いない。(我満 晴朗)

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