藤井七段、長考から攻めた 地元・愛知で初のタイトル戦「一手一手最善を追求」の決意通り

[ 2020年7月2日 05:30 ]

第61期王位戦7番勝負 第1局第1日 ( 2020年7月1日    愛知県豊橋市 )

王位戦第1局で初手を指す藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)
Photo By 共同

 将棋の第61期王位戦7番勝負が1日、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で開幕した。史上最年少で初戴冠を狙う藤井聡太七段(17)が昨年、史上最高齢で初タイトルを奪った木村一基王位(47)に挑む構図。藤井はいきなり1時間半超えの長考を連発。持ち時間8時間の2日制ならではの、ぜいたくな時間の使い方となった。

 地元・愛知で初のタイトル戦。白の着物にライトグレーの羽織、袴(はかま)にはグレーを選んだ。前夜までの風雨は収まり、夏のタイトル戦にふさわしい軽やかな和装で藤井が思う存分、長考を重ねた。

 戦型が得意の角換わりへ進んだ昼休憩前、先手藤井の手番で指し手が止まった。陣形が整い、どう戦線拡大するかの分かれ道で88分間の長考。そのまま1時間の昼休憩に入った。休憩残り10分前には対局場に戻って盤上を凝視。再開2分後、飛車先の歩をぶつけた。

 記録上は90分の消費だが、休憩時間を合わせれば実質150分の考慮。その後、木村が藤井の攻めをけん制するような角打ち「遠見の角」を見せると、藤井はさらに自己最長タイの96分考え、攻め合いに進むことが予想される歩成りを決めた。

 連勝発進で奪取へ王手をかけた、棋聖戦と並行開催の王位戦は自身初の持ち時間8時間の2日制。前夜祭で「じっくり考えられる。一手一手最善を追求して指したい」と決意表明した通りの沈思黙考ぶりだった。

 午後6時を迎え、封じ手は木村の手番で行われた。これが、藤井にとって初めての経験となる封じ手。谷川浩司九段と確認していたものの受ける側になるのは想定外だったのか、封筒にサインする所作が分からず、迷った末に脇息(きょうそく=肘掛け)を下敷きにして左側を向きながらサイン。手で封筒を持って書くのが通例で、中継で解説したベテラン棋士から苦笑いで“ダメ出し”される初々しさも見せた。

 中学2年だった4年前、愛知県犬山市で開幕した王位戦7番勝負会場を訪れた。当時、プロ入り前の三段で、くしくも木村が羽生善治王位に挑んでいた。思い出の舞台に今回、見学者ではなく挑戦者として立ち、前日の会見では「(当時から)角1枚強くなったと思う」と語った意欲。「千駄ケ谷の受け師」の異名を持つ木村相手に、その攻めが通用するか否かの戦いになった。(筒崎 嘉一)

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