NHK-FM「ディスカバー・ビートルズ」(下) 杉真理「毎回、何か発見する」

[ 2020年7月2日 13:00 ]

NHK-FM「ディスカバー・ビートルズ」でDJを務める杉真理
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK-FM「ディスカバー・ビートルズ」(日曜後9・00)のDJを務めるミュージシャンの杉真理は「ビートルズのことを語ると、ついつい感情が先走ってしまう。前のめりにならないようにしているけれど、『凄い!』と思っているから、なかなか冷静になれない。熱くなるのがビートルズです」と笑う。

 最近はCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」の作曲などで知られるが、音楽の出発点はビートルズ。小学生の時、自らレコード店で「ロング・トール・サリー」と「ロック・アンド・ロール・ミュージック」のシングル盤を購入したのが始まりで、ミュージシャンになってからもビートルズサウンドを強く意識したバンド「BOX」を結成している。

 「ビートルズは焦点が『今』に合っている。だから、古くならない。例えば『イン・マイ・ライフ』。あの曲は『過去』を歌っているようだけれど、実は『今』を歌っている。それに、ビートルズは権威的じゃない。だから、権威的な人が語ると、ビートルズのにおいがなくなってしまう。僕のような威厳ゼロの人が語るとちょうどいい」

 番組でのDJぶりは軽やか。音楽業界にも数多くのビートルズファンがいてDJ後補も多様だったが、番組ディレクターの本田文男氏は「間口の広さと親しみやすさが大事だと思った。ラジオは声だけなので声質も大切。杉さんはキャリアを重ねていて大御所なのに、若いお兄さんがビートルズのことを話しているように聞こえる」と話す。それがリスナーには心地いい。

 番組ではデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」(1963年)からラストアルバム「レット・イット・ビー」(1970年)までを順次特集。毎回、アルバムのA面とB面の片面分の曲を紹介して解説しており、次回の7月5日は4枚目のアルバム「ビートルズ・フォー・セール」(64年)のA面となる。

 杉は「僕は中学生の時から『ホワイト・アルバム』が好きです。いい曲が次々と出てくる。地球上のポップスのほとんどの原型があのアルバムの中にある気がします。もしも、宇宙人に『ポップスって何?』と問われたら、ホワイト・アルバムを聞いてもらえばいい」と話す。

 番組は来年3月まで続く予定で、「ホワイト・アルバム」(68年)を紹介、解説するのはまだ先。「ビートルズは1曲1曲に逸話がある。そして、謎もあって、メンバー4人のキャラクターがその謎を解くカギになっている。これからも毎回、何か発見していくことになるでしょう」と自身も今後を楽しみにしている。

 ビートルズ解散から50年。いまだに謎が残され、それを解明する楽しみがあることに、このバンドの奥深さ、味わい深さをあらためて感じる。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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