中村九段、王位戦を解説 命運を懸けた木村王位の「遠見の角」に驚き

[ 2020年7月2日 05:30 ]

第61期王位戦7番勝負 第1局第1日 ( 2020年7月1日    愛知県豊橋市 )

立会人の谷川九段(左)に封じ手を手渡す木村王位(右)(中は藤井七段)(日本将棋連盟提供)
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 王位戦第1局1日目を中村修九段(57)が解説した。印象的な局面に挙げたのが、角換わりの駒組みが飽和状態に達した38手目、最近多数派の待機策ではなく「攻めてこい」と強く出た木村の指し手に対する攻め合いの選択だった。

 「消費時間がわずか9分ですからね。研究に対する自信の表れでしょう」

 異次元とされる読みの量に支えられた17歳の快進撃。対戦相手は自ら読んだ1手先、2手先まで読んでいるのでは?との疑心暗鬼によって、疲労を蓄積させていくという。

 一方、木村が封じ手前、自陣に放った「遠見の角」に驚いた。「勝てば勝因、負ければ敗因。一局の命運が懸かっています」。藤井の歩が遮っているとはいえ、射程の先には飛車がいる。ところが藤井も強くその歩を成って、飛車獲りを甘受した。「封じ手の局面へ誘導したのは木村王位ですから。隠し玉があると思うし、ないとおかしい」。2日目の進行からも目が離せないという。

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