魂の1安打零封リレー オリ・山崎福 球団26年ぶり日本S先発勝利 明大時代の“ホーム”で圧巻投球

[ 2022年10月30日 05:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第6戦   オリックス3-0ヤクルト ( 2022年10月29日    神宮 )

<ヤ・オ>4回、中村を左飛に打ち取ってピンチをしのぎ、ガッツポーズの山崎福(撮影・北條 貴史)
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 山崎福が大役を果たした。5回を1安打無失点に抑えて勝利投手。球団では96年第3戦の野田浩司以来26年ぶり、14戦ぶりに日本シリーズでの先発勝利をつかんだ。

 「何回までとかではなく、一人ずつ、1イニングずつという気持ちで、とにかくゼロに抑えようと思っていました。結果的に勝利投手になれたことは素直にうれしいです」

 初回先頭の塩見に許した中前打が終わってみれば、唯一の安打だった。続く青木を外角スライダーでバットを折っての二ゴロ併殺。3回はサンタナの大飛球を中堅・中川圭がフェンスに激突しながら好捕してくれた。4回は山田、村上に連続四球を与えて2死一、二塁を招いても、中村の左飛を吉田正がスライディングキャッチしてくれた。

 「みんなに助けてもらいました。ああいうプレーがあったので乗っていけました」

 第2戦に先発して4回無失点。先制の右前打も放ち、得意の打撃も披露したが、試合は12回引き分け。本来なら投げる予定だった山本が左脇腹を負傷したため、中5日で回ってきた第6戦だった。責任感が増した。やってやるという強い気持ちにもなった。

 「まさか2戦目を任されるとは思っていなかったので、そこから2度目の登板も任されて感謝しかないです。いつも由伸に頼っているチームなので、みんなでカバーして日本一になりたい気持ちはあります」

 明大時代に慣れ親しみ、「いい雰囲気、いい緊張感で投げやすかった」という神宮マウンドで緩急自在の投球を披露し、2試合で計9イニングを無失点。レギュラーシーズン5勝の左腕が間違いなく、今シリーズの主役の一人になった。(畑野 理之)

 【データ】オリックスは塩見の1安打に抑えて勝利。日本シリーズで被安打1以下は、20年ソフトバンクの巨人第3戦以来4度目。チームの零封勝ちは第4戦以来で、1シリーズ2度以上は15年ソフトバンク以来のべ13チーム目で球団初。また、被安打1以下で勝った過去の3チームは、いずれも日本一に輝いている。また、先発の山崎福は日本シリーズ初勝利。球団先発投手の白星は96年巨人第3戦の野田浩司以来14試合ぶり。13試合連続先発未勝利は、83~86年西武の17試合、74~99年中日の15試合に次ぐ3番目。

 ▼山崎章弘氏(山崎福の父。前巨人巡回打撃コーチ、現兵庫ブルーサンダーズ監督)指導者として技術面どうこうではなく、ただただ親の目で見ていました。ハラハラ、ドキドキでしたね。言いたいこともいっぱいありますが、親としては迷惑をかけるな、ということだけ。長いイニングを投げてほしいと思っていたので、頼むから持ちこたえてくれ…と。サンタナ選手や中村選手の打球は(味方の好守にも助けられて)運もあったけど、運も実力のうちです。勝てて良かった。打席では“(当てにいかず)もっと振れや!”と思いましたけど。(3回の犠打は)スリーバントになったけど、決めてくれて良かった。

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2022年10月30日のニュース