由伸離脱、阿部被弾…オリックスを救った救援陣 ここにも中嶋マジックの面影

[ 2022年10月30日 22:04 ]

SMBC日本シリーズ2022第7戦   オリックス5-4ヤクルト ( 2022年10月30日    神宮 )

<オ・ヤ>9回2死二塁、ベンチで祈る宇田川(右)と笑顔の山崎颯(撮影・北條 貴史)
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 オリックスは30日「SMBC日本シリーズ2022」第7戦でヤクルトに勝利し、26年ぶり5度目の日本一に輝いた。2年連続4度目となったヤクルトとの日本一決戦。過去3度はオリックスが敗れていたが、念願かなってついに12球団の頂点に立った。

 アクシデントにもひるまず、全員で山を越えた。22日の第1戦で「2年連続投手4冠」のエース・山本が負傷降板するアクシデント。さらに平野佳、阿部が被弾するなど、調子がいまいちと分かると、第4戦からワゲスパックを守護神に抜てきした。山崎颯や宇田川は、シーズン中は中継ぎの柱ではなかったが、大車輪の働きで貢献。チームを救ったのは、投手陣の層の厚さだ。

 特に名を広めたのが宇田川と山崎颯だ。2人は第6戦まで5回1安打無失点4三振(山崎颯)、3回2/3を1安打無失点7三振(宇田川)と完璧な成績でチームを支えた。この日は山崎颯がシリーズ初失点を喫したが、貢献度に変わりはない。

 宇田川は2軍での安定感を見込まれ、7月28日に支配下登録されると、19試合で2勝3ホールド、防御率0・81の好成績。リーグ優勝が決まった10月2日の楽天戦も2回無失点で勝利投手になった。プロ入り後にフォークを改良し、ストライクゾーン内で変化する球に、各チームの打者も手を焼いた。2軍やフロントとの共同作業で育てた魅力たっぷりの投手だ。

 また、山崎颯はシーズン途中に中継ぎに転向した。先発で投げたのは5試合。8月28日の西武戦が最後で、この時、3回1安打無失点で降板した。その後、9月2日・ロッテ戦、同7日・日本ハム戦は中継ぎで3回を登板。適性を見極めつつ、先発では5試合で0勝2敗と結果の出なかった山崎颯を見事に配置転換したことが奏功した。

 2敗1分けというビハインドから、4連勝で一気にゴールテープを切った。全戦力で戦うという中嶋監督の思いが凝縮されたような日本一だった。

《今シリーズ第6戦までの投手陣成績一覧》
【第1戦】
●山本 4回0/3 4安打4失点4三振
 比嘉 1回 無安打無失点2三振
 本田 1回 1安打無失点2三振
 阿部 1回 2安打無失点2三振
 平野佳1回 3安打1失点1三振

【第2戦】
 山崎福4回 4安打無失点5三振
H山崎颯2回 1安打無失点5三振
H宇田川1回 1安打無失点1三振
Hワゲス1回 2安打無失点1三振
 阿部 1回 2安打3失点1三振
H本田 1回 1安打無失点
H比嘉 1回 1安打無失点2三振
 近藤 1回 無安打無失点2三振

【第3戦】
●宮城 5回1/3 6安打3失点5三振
 比嘉 0回2/3 無安打無失点
 竹安 1回 1安打1失点1三振
 近藤 1回 1安打無失点2三振
 本田 1回 3安打3失点

【第4戦】
 山岡 4回1/3 5安打無失点1三振
○宇田川1回2/3 無安打無失点4三振
H山崎颯2回 無安打無失点
Sワゲス1回 1安打無失点2三振

【第5戦】
 田嶋 4回1/3 7安打2失点5三振
H比嘉 0回2/3 無安打無失点
 近藤 0回2/3 4安打2失点1三振
 阿部 1回1/3 1安打無失点1三振
 平野佳1回 無安打無失点
○ワゲス1回 無安打無失点2三振

【第6戦】
○山崎福 5回 1安打無失点3三振
H宇田川 1回 無安打無失点2三振
H平野佳 1回 無安打無失点2三振
H山崎颯 1回 無安打無失点2三振
Sワゲス 1回 無安打無失点1三振
※名前のワゲスはワゲスパックの略。

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2022年10月30日のニュース