フィリーズ先勝 0―5から大逆転で下克上へ進撃

[ 2022年10月30日 04:53 ]

ワールドシリーズ第1戦   フィリーズ6―5アストロズ ( 2022年10月28日    ヒューストン )

アストロズ戦の10回、決勝ソロを放ちハーパー(左)と喜ぶフィリーズのリアルミュート(AP)
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 大リーグのワールドシリーズ(WS=7回戦制)が28日(日本時間29日)に開幕した。14年ぶり3度目の頂点を目指すフィリーズが、5年ぶり2度目の優勝を狙うアストロズに先勝。フ軍は5点差を追いつき、延長10回にJ・T・リアルミュート捕手(31)が決勝ソロを放った。ワイルドカードシリーズから勝ち上がった強力打線が、大舞台でも本領を発揮した。

 4万2903人の大観衆が詰めかけた敵地をため息に包んだ。5―5の延長10回。先頭のリアルミュートが右腕ガルシアの97.5マイル(約157キロ)直球を右翼席へ運び、「最高の気分。チームにとって大きな1勝」と興奮気味に振り返った。

 チームは5点を追う4回に3点を返して反撃開始。リアルミュートは5回にもバーランダーのカーブを捉え、同点の2点二塁打とした。「今夜はたまたま僕が主役と呼ばれただけ。日替わりでヒーローが生まれるよ」。14~18年のマーリンズ時代は3年間、イチローと同僚。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の米国代表に選出された通算134発&78盗塁の「打って走れる捕手」が、自身初のWSで躍動した。

 WSで0―5からの逆転勝利は、エンゼルスがジャイアンツを破った02年の第6戦以来20年ぶり。当時ジ軍を率いていたのは、ア軍のダスティ・ベーカー監督だった。フ軍は今季87勝75敗のナ・リーグ東地区3位。成績不振で6月初旬にジョー・ジラルディ前監督が解任されて以来指揮を執り、快進撃に導いているロブ・トムソン監督は「よく打ったし、捕手としても良いリードをしていた。今の彼は本当に素晴らしいプレーを続けている」と扇の要を称えた。

 捕手による延長戦での決勝弾は、WSでは殿堂入りしたカールトン・フィスクが75年レッドソックス時代にレッズとの第6戦で放って以来47年ぶり。今ポストシーズンでは3本塁打目となり、ここまで12試合フルイニング出場中のリアルミュートは「アドレナリンが出ているおかげで毎試合、いい状態だ」と充実の表情を浮かべた。(奥田 秀樹通信員)

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2022年10月30日のニュース