これぞ中嶋マジック!!「1番・太田」ズバリで王手 仰木監督ほうふつさせる6戦6通りオーダー

[ 2022年10月30日 05:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第6戦   オリックス3-0ヤクルト ( 2022年10月29日    神宮 )

<ヤ・オ> 6回無死、太田は左前打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 中嶋監督は敵地での勝利インタビューで振り返った。「なかなか点が入らない状況ですので、非常に厳しい試合だったと思います」。今シリーズは6試合で計17点。1試合平均3得点を下回る。だから、試合前に布石を打った。

 レギュラーシーズン143試合で141通りのオーダーを組んだ「中嶋マジック」がズバリ的中した。頂上決戦6試合で6通り目の先発オーダー。95、96年のシリーズ計10試合で10通りのオーダーを組んだ故仰木彬元監督を、ほうふつさせた。第6戦の目玉は、「1番・太田」だった。

 今季の先発1番はわずか2試合。第2戦まで出場がなく、第3戦で代打で初出場し、第4戦で「9番・三塁」、第5戦で「7番・一塁」と試合を重ねるごとに打順を上げた。第5戦まで計6打数2安打という状態の良さを見極め、高卒4年目の21歳を大舞台の切り込み隊長に抜てきした。

 若武者は期待に応えた。初回に中前打を放って気を吐くと、6回先頭ではカウント2―2から小川の100キロ台前半のチェンジアップを左前打し、先制の口火を切った。2死一、二塁から杉本の右前適時打で待望の生還。2安打1四球の計3出塁が光った。

 太田、野口ら抜てきした若手の躍動。「思い切りの良さというか、ああいうところで臆することなく振っていけるというのが、非常にチームに勢いをつけてくれる」。人事を尽くして勝機を探り当てた指揮官は満足げにうなずいた。

 正捕手だった96年以来の日本一まであと1勝。「去年も今年もマジックなしで優勝していますので、なんか…分からないですね」。独特の“中嶋節”は頂点を目前にしても変わらない。言い切ったのは「明日も、この寒さを吹き飛ばす熱いゲームをやりたい」。日本一の胴上げまで、あと1勝だ。

 ○…オリックスのスタメン野手はシリーズ第6戦で6通り目。レギュラーシーズンでは143試合で141通りのオーダーを組んでいた。中嶋監督は昨年のシリーズでも全6試合でオーダーを変えたほか、仰木彬監督時代の95、96年もシリーズの計10試合で同じ組み合わせは一度もなかった。

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2022年10月30日のニュース