巨人・中田翔が日本ハムとの初対戦で初アーチ含む3打点 12球団本塁打達成 古巣ファンに感謝コメントも

[ 2022年5月28日 17:58 ]

交流戦   巨人8―4日本ハム ( 2022年5月28日    札幌D )

<日・巨>9回、確信の一発。12球団制覇となる2ランを放つ中田(撮影・島崎忠彦)
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 巨人の中田翔内野手(33)が昨年8月まで14シーズンに渡って在籍した古巣・日本ハム戦(札幌D)で7回に代打で登場。貴重な追加点となる中前適時打を放つと、9回には左翼スタンド上段へ12試合ぶりとなる5号2ランを放ち、史上42人目となる全12球団からの本塁打を達成した。

 6―4で迎えた9回だった。5番手右腕・望月が2ボール1ストライクから投じた4球目、高めツーシームを叩くと、打球は左翼スタンド上段へ突き刺さった。同球場では歴代1位の通算98本目。同球場での本塁打は昨年5月1日の西武戦以来392日ぶりとなる中田の一発だった。

 中田は日本ハム時代の昨年8月4日に行われたDeNAとのエキシビションマッチ前にベンチ裏でチームメート1人に暴力行為を働き、11日に日本ハムから1、2軍全試合の出場停止処分を受けた。だが、日本ハムの栗山監督から巨人・原監督への働きかけもあって20日に無償トレードが電撃決定。東京都内にある巨人の球団事務所で黒髪、スーツ姿での記者会見に臨み「簡単に信頼を取り戻すことはできないが、一からしっかりと自分を見つめ直して、野球人として人として前に進みたい」などと謝罪した。

 移籍後初の札幌ドーム入りとなった前夜はベンチスタートで最後まで出番なし。だが、この日、4―3とわずか1点リードで迎えた7回に出番はやってきた。2死からウォーカーの3打席連続となる二塁打と立岡の四球出塁で一、二塁としたところで、ベンチの原辰徳監督(63)が動いた。プロ初スタメンでここまで3打数無安打の増田陸に代えて「代打・中田」。巨人ファンだけでなく日本ハムファンからも大きな拍手が送られる中、日本ハムの主砲ではなく、巨人の選手として打席に入った。マウンドにはドラフト同期入団の宮西。フルカウントからの7球目だった。外角低めの144キロ直球を叩くと、打球は中前で弾んで二走・ウォーカーを5点目のホームへと迎え入れた。

 中田が札幌ドームの打席に入るのは日本ハム時代の昨年6月8日に行われた阪神戦以来354日ぶりのこと。胸に去来する思いは複雑だったはずだが、きっちり適時打を放った中田は一塁ベースに到達すると、右腕を高々と掲げてガッツポーズ。その後、昨季までチームメートだった一塁コーチャーの亀井コーチとグータッチを交わしていた。

 そして、9回に放ったダメ押しの2ラン。勝利をものにした。試合後、かつてのホームでヒーローインタビューに臨んだ中田はまずは7回の適時打について「同期入団でもあったので、すごくわくわくしながら打席に立ちました」と宮西との対戦を振り返り「素直にうれしかったです」と冷静な声で喜びを口にした。

 様々な記録付きとなった9回の2ランについては「本当にね、自分がそうやってホームランを積み重ねてこれたのもファイターズファンの皆さんの声援のおかげもありますし、本当にファンの皆さんの声援のおかげだと思っています。ありがとうございます」と感謝。スタンドからは大きな拍手が降り注いでいた。

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