広澤克実氏 「怪物」再確認させられた阪神・佐藤輝の豪快な一発 あとは直球を仕留められれば全開

[ 2022年5月28日 06:00 ]

交流戦   阪神1-0ロッテ ( 2022年5月27日    ZOZOマリン )

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】まず、あの場面で試合を決める一発を放った阪神・佐藤輝は、さすが4番打者だと称えないといけない。ロッテの益田―柿沼のバッテリーは3球目に真っすぐを一度だけ投げたが、6球のうち5球がシンカーだった。セ・リーグのバッテリーなら、どこかで、かつ何球も、そしておそらく最後も、速い球でのインハイ攻めを選択していただろうが、これが交流戦の面白いところだ。

 それにしても、見逃せば低めのボール球だったはず。それをバックスクリーンまで運ぶのだから大したものだ。昨年の春季キャンプからオープン戦、そしてシーズン前半では、“あれが入っちゃうの?”というホームランを何度も見たが、改めて怪物だと思わせる豪快さ。あとは真っすぐをカチーンと仕留められれば、全開と言えるのではないだろうか。

 ロッテの佐々木朗は、あまり調子がよくなかったのだと思う。佐藤輝が6回2死三塁で空振り三振を喫した145キロのフォークは、確かにどうしようもない魔球のような落ち方だったが、この試合では“そうではない球”も多かった。真っすぐも何度も160キロを超えていたが、糸原や島田、中野らが安打していたように、全体的に阪神打線は反応できていたし、頑張って食らいついていた印象だ。

 それでも追い詰めるまでで、4回1死三塁や、5回2死一、二塁など要所ではギアを上げられて締められている。結果的には6回まで無得点で“惜しかった”と思わせるのだから、やはり佐々木朗も怪物に違いない。(スポニチ本紙評論家)

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