巨人・シューメーカー 7回2死まで完全!続投志願で無四球完封の来日初勝利

[ 2022年4月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3-0中日 ( 2022年4月23日    バンテリンD )

<中・巨>完封勝利を挙げたシューメーカー(撮影・河野 光希)
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 巨人の新外国人、マット・シューメーカー投手(35)が23日の中日戦に先発し、9回2安打無失点で来日初勝利を無四球完封で飾った。エンゼルス時代に同僚だった大谷翔平投手(27)に助言をもらったスプリットを駆使して8三振を奪い、リズムに乗った。チームは今季25試合目で初の完封勝利。今季2度目の6連勝で貯金11と、メジャー通算46勝の右腕が勢いを加速させた。

 少年時代に投げ始めたというスプリット。シューメーカーは「真っすぐより遅い球が何かないかな、と。14歳ぐらいから指が開くようになって」と持ち球に加えた。

 130キロ台中盤のスプリットで奪ったアウトは27個中、15個。18年のエンゼルス時代に同僚だった大谷に「どういう時に使うか。どういう場面でどういう球種を使うか」と質問攻めにし、精度を高めた球種だ。来日後も大谷の通訳・水原一平氏と連絡を取り合う。

 7回2死まで一人の走者も許さない完全投球。A・マルティネスに初安打となる左翼線二塁打を浴びても動じない。ビシエドを遊ゴロに仕留めると、ベンチでは首脳陣に「I CAN(まだ投げられる)」と続投を申し出た。8回は3者連続三振。122球で最後まで投げきった。原監督は「夢のようなことが(起きそう)、というくらい。無四球というのはやっぱり凄く価値があるし完封というのは凄い」と絶賛した。

 16年目の指揮を執る原監督は、日本で成功する外国人の条件に、制球力を挙げる。だから、35歳という年齢についても「全く関係ない」と獲得をためらわなかった。この日は3ボールが3度あったが無四球。ツーシーム、スライダーも織り交ぜ、8三振を奪った。

 性格は真面目で日本向き。依田大介通訳は「きちっとしていますね。どんな話題でも1から10まで、ちゃんと説明してくれます」と明かす。完璧主義者は完全試合こそ逃したものの、エ軍時代の16年にホワイトソックス戦で達成以来、6年ぶりの完封。「内容だけ見たら今日の方がいいと思う」と胸を張った。

 0―0の6回無死一塁では右前打。日米通じて「プロ初安打」をマークすると、祖父江の暴投で決勝のホームを踏み「自分の投球に対して良い影響を与えるヒットだった」と自らを乗せた。

 直球は140キロ台半ばが主体で、150キロは出なくても、チームの今季完封一番乗り。21年前に覚えたスプリットで、新天地で大きな一歩をしるした。(川島 毅洋)

 ≪26年ぶり3人目の初完封初勝利≫シューメーカー(巨)が来日初完封で初勝利。巨人の外国人が来日初勝利を完封で飾るのは、85年4月26日中日戦のカムストック、96年4月17日中日戦のガルベスに次ぎ26年ぶり3人目となった。カムストックはその年8勝、ガルベスは16勝で最多勝と活躍しており、シューメーカーにも期待がかかる。また、巨人は今季初の完封勝利。巨人で助っ人がチームの完封一番乗りは、85年カムストック、98年趙成みん(王へんに民)、99年ガルベス、06年パウエル、09年グライシンガーに次ぎ6人目だ。

 ▼巨人・桑田投手チーフコーチ(シューメーカーは)野球に取り組む姿勢も素晴らしいですし、ピッチングの基本である、低めに集めることを大事にしている。

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