ロッテ・朗希 なるかサイ・ヤング超え24イニング連続無安打、全米も“徹夜推奨”注目先発

[ 2022年4月24日 05:30 ]

キャッチボールで調整する佐々木朗(撮影・成瀬 徹)
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 伝説の右腕を超える――。ロッテ・佐々木朗希投手(20)は24日、京セラドームで行われるオリックス戦に先発する。10日に完全試合を達成した相手との再戦で、快投の再現を狙う。現在は17イニング連続無安打を継続中で、8回まで無安打なら1904年にサイ・ヤングが達成した24イニングの大リーグ記録を上回る。大リーグ公式サイトが異例の前日特集を組むなど、その注目度はとどまることを知らない。

 周囲の盛り上がりをよそに、佐々木朗は普段通りを貫いた。前日にはブルペンで23球の投球練習。この日はグラウンドでウオーミングアップ、ストレッチ、軽めの強化トレーニングをこなし、翌日のマウンドに備えた。

 「(オリックスとは)今シーズン2度目の対戦となるので、しっかりと工夫をしながら0で抑えられるように頑張ります」

 オリックスと今季の初対戦は10日。2週間前、プロ野球史上最年少の20歳5カ月で達成した完全試合だ。2度目の達成となれば、日米通じて史上初。「0」を心掛けて投げる延長線上に、ファンの夢が広がる。

 たとえ走者を許したとしても、安打を8回まで許さなければ、偉大な先人を超えることになる。通算511勝で、シーズン最高の投手に与えられる賞にその名前が残るサイ・ヤングの持つ大リーグ記録「24」を上回る、25イニング連続無安打の金字塔だ。サイ・ヤングは4月25日の2回、同30日の7回(救援)、5月5日の9回(完全試合)、同11日の6回と4試合にまたがって記録。118年間破られていない偉業に挑む。

 過去2度の登板後にも大きく取り上げた米メディアだが、登板前日に異例の特集を組んだ。大リーグ公式サイトの看板記者ジョン・モロシ氏は「完全投球を続ける20歳のNPBスターに会おう」との見出しで長文の記事を寄せた。10日オリックス戦での完全試合や19奪三振など数々の記録や、投球スタイルについて紹介し、「大リーグのナイターが終わってから、東部時間の真夜中(午前0時)に投げる。睡眠を犠牲にする価値がある」と強調。同僚で、防御率0.34でリーグトップの左腕ロメロの「とんでもない投手。メジャーでの素晴らしい未来が待っている」とのコメントも掲載した。

 この日のオリックス戦でロッテは延長11回サヨナラ負け。失策と内野ゴロの間の計2点しか奪えず、井口監督は「点を取らないと勝てないので、まずはしっかり野手に取ってもらいたいと思います」と攻撃陣にハッパをかけた。佐々木朗が前回登板した17日の日本ハム戦は延長10回の末に0―1で敗戦。野手の援護を得られれば、「令和の怪物」はさらに輝きを増すはずだ。

 《ネットで生配信》午後1時にプレーボールのオリックス―ロッテ戦は、CS放送の「J SPORTS3」や、パ・リーグTV、DAZNなどのネット配信により中継される。地上波での放映権を獲得した関西テレビ(フジテレビ系)は、関西ローカルで午後4時から約1時間半のダイジェストで放送する。

 ◇サイ・ヤング(Cy Young)1867年3月29日生まれ、米オハイオ州出身。右の本格派として結婚後の1890年にスパイダース(現ガーディアンズ)でメジャーデビュー。4年目の93年、投本間が現在の距離に延長されたが34勝。22年間プレーし、大リーグ歴代最多の通算511勝(316敗)を挙げた。1904年には完全試合も達成し、ノーヒットノーランは2度。1955年の死去を受け、翌56年に「サイ・ヤング賞」が制定された。本名はデントン・トゥルー・ヤングで「サイ」は通称。田舎っぽいいでたちの男を指す「cyrus(サイラス)」から取ったと言われ、後に剛球をもじった「サイクロン」の略とされた。現役時代は1メートル88、95キロ。右投げ右打ち。

 ▼1904年(明37)の主な出来事 2月に日露戦争が勃発。この戦争に反対した歌人・与謝野晶子が出兵した実弟の身を案じた詩「君死にたまふことなかれ」を発表した。6月1、2日に当時、学生野球で一強だった一高(現東大)に対し早大、慶大が勝利。早慶の対決が日本野球最高峰の対決と認識されるきっかけになった。また、7月には第3回夏季五輪が米国・セントルイスで開催された。

 【朗希の注目記録】

 ☆2度目の完全試合 日米で過去に達成者なし。

 ☆17イニング連続無安打 大リーグ記録は1904年にアメリカンズ(現レッドソックス)のサイ・ヤングが記録した24イニング連続。

 ☆打者52人連続アウト 3日の西武戦の8回2死から継続中。連続打者凡退の大リーグ記録である「46人」を既に上回っている。

 ☆4戦連続2桁奪三振 10、13、19、14と継続中でロッテで4戦連続2桁奪三振は94、95年の伊良部秀輝に並ぶ球団タイ。シーズン初登板から4戦以上連続は91年野茂英雄(近鉄=6試合)、10年ダルビッシュ有(日=5試合)に次ぎ3人目。

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