【槙原寛己氏】佐々木朗希には「いい教訓」球審に詰め寄られた件に「顔や態度に出すと損をする」

[ 2022年4月24日 18:50 ]

パ・リーグ   ロッテ6―3オリックス ( 2022年4月24日    京セラドーム )

<オ・ロ>2回2死一塁、杉本に二盗を許し、苦笑いの佐々木朗(撮影・北條 貴史)
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が24日のオリックス戦(京セラD)に先発。初回の初球に福田が右前打を放ち“あっさり”連続イニング無安打は17回、連続打者凡退記録は52人でストップ。制球が定まらず5回6安打5四死球2失点も今季3勝目を挙げた。しかし、一番注目を集めたのは2回にボール判定を巡り白井一行球審(44)がマウンド上の佐々木朗に詰め寄る場面だった。完全試合の“先輩”である槙原寛己氏(58、スポニチ評論家)が前代未聞の“問題シーン”に対して持論を述べた。

 球審と一悶着あった安達への投球。正直にいえばストライクに見えたし、球審が感情的に“何だお前”みたいな態度で詰め寄ったのもどうかと思う。長い間プロ野球に携わってきたが、こんなシーンは見たことがない。

 ただプロの先輩として佐々木朗には“顔や態度に出すと損をするよ”と伝えたい。自分もカッカするタイプで若いうちは感情をストレートに出していたが、そういう態度をとると審判にマークされる。佐々木朗もまだ3年目、完全試合達成で注目されている時でもあり、審判にも“なめられたくない”という思いもある。審判も人間だ。アイツ生意気だと思われるより、判定に文句を言わない素直な選手と思われれば、少なくとも“損をする”ことはない。今後、国際大会に出たり、MLBに移籍する可能性もある佐々木朗には審判との接し方を学んでほしいし、この試合がいい教訓になったのではないだろうか。

 球審との一件で気持ちが高ぶったのか3回以降、球が高めに浮き出した。先頭の福田の初球は161キロの直球が外に抜け、最後は162キロが内角に引っかかって死球。感情だけでなく球もコントロールできなくなった。2点を失った5回は力んで直球がシュート回転。先頭の安達にそのシュート回転した直球を右前に運ばれ、吉田正にも見事にはじき返された。

 完全試合から2週間、佐々木朗はオリックス打線によく研究され対応されていた。初回先頭の福田に直球を狙い打たれ右前打。2死後、吉田正にも0―2からの3球目の直球をジャストミートされた。全員が直球狙い。5回90球のうち、直球で空振りが取れたのは2球だけ。前回対戦で5回まで13三振を奪ったオリックス打線からわずかに4奪三振。軸となる直球で押し切れないからフォークも見逃される。結果的に5回2失点もアップアップの印象だった。

 今後、2度目の対戦となるチームからは徹底的に研究される。感情のコントロールも含め、佐々木朗がどうやって包囲網を突破するのか、注目したい。

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