どこまで続く朗希の完全投球、注目ポイントはシュート回転

[ 2022年4月24日 09:50 ]

ロッテの佐々木朗希
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 ロッテ・佐々木朗希がきょう24日のオリックス戦(京セラドーム)で先発する。個人的なことで申し訳ないが、このコラムは休日を出勤に替えて、東京から大阪へ向かう新幹線の中で書いている。

 前々から予定していたプライベートな用事があったが、17イニング連続パーフェクト中で、1904年にマークした大リーグ通算511勝の「伝説の投手」サイ・ヤングの24イニング連続無安打投球の更新も見えているのだから、大阪まで行かないわけにはいかないだろう。

 さて、これから投げることになる佐々木朗の投球は、どこを注目したらいいのだろうか。ポイントは数多くあるのかもしれないが、今日に限っては立ち上がりから真っすぐがシュート回転しているか、否かだと思っている。

 勘違いしないでほしい。「シュート回転=×」というわけではない。入団当初から佐々木朗の直球がシュート回転することは珍しくなかったが、前投手コーチの吉井理人ピッチングコーディネーターは「160キロの球がシュートしてきたら打者は怖いだろう」と言っていた。

 その通りだと思う。これにより、右打者は踏み込めなくなるし、そうなれば、打者を打ちとりやすくなる。一方で、シュート回転するとコントロールが難しくなるのも事実だ。

 意図して曲げているならば別だが、意図しないシュート回転の曲がり幅を調整することは困難だ。投手は直球の軌道をイメージし、指が球から放たれたところから、捕手ミットまでの軌道のラインを描くという。それができなくなると、ボール球は自然と増えてくる。

 普段ならば、ボール球が多少増えても気にすることはない。それも右腕の持ち味と思っている。ただ、今回は17回連続パーフェクトという記録を更新中だけに、やはり、シュート回転すると四球を与えてしまう可能性は高くなる。

 おそらく、この試合は一つの四球、一本の安打、1点の行方にファンは一喜一憂するだろう。試合前から異次元の世界を想像しながら、試合展開を追いかけていくことになる。

 それでも、佐々木朗希自身は空前の盛り上がりを見せる周囲と違い、そこまで記録を意識してないかもしれない。

 「(前回完全試合を達成したオリックスと)今季2度目の対戦になるので、しっかりと工夫しながら0で抑えられるように頑張りたいと思います」――。

 登板前日のコメントを見ても、チームの勝利に貢献することしか考えていない。余計なことに振り回されないメンタルも、この若者の大きな武器なのだろう。(記者コラム・横市 勇)

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2022年4月24日のニュース