東洋大姫路 2年生右腕・森、無安打救援で勝利導く「自分が負けるわけにはいかない」

[ 2021年7月14日 13:51 ]

兵庫大会2回戦   東洋大姫路2―1御影 ( 2021年7月14日    姫路 )

兵庫大会2回戦、5回途中から救援し無安打投球で勝利を呼んだ東洋大姫路・森
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 春夏合わせ19度の甲子園出場を誇る東洋大姫路が苦しみながらも初戦を突破した。

 勝利の立役者は2年生バッテリーだ。同点の5回無死二塁、藤田明彦監督が「フィールディングがうまい子なんで、バント守備で三塁で走者をアウトにしてほしい」との思いでマウンドに送った森健人投手が狙い通りに素早くバント処理し三塁タッチアウト。次打者を三振に取り、二盗を狙った走者を2年生捕手の村崎心が刺して流れを呼び込んだ。6回以降も許した走者は味方の失策による一人だけ。5回無安打と最高の投球で試合を支配した。

 4強入りに貢献した春の兵庫大会以降は調子を落とし、不安を解消できないまま今大会に臨んだ。「3年生には最後の夏。自分が負けるわけにはいかない」とピンチを想定してセットポジションでの投球練習を増やし、投球フォームなどにも工夫を凝らした。一方で、強い気持ちを持ってマウンドに上がる。

 右腕の力投に応えるべく、援護したのが村崎だ。最速143キロを誇る御影の好右腕、山下陣平投手を打ちあぐねる中、6回1死三塁で打席に立ち、3球目のスクイズを外されたが相手ミスで三塁走者が残り、1球ファウルした後の外角低め、地面すれすれのスライダーをバットに当てて右前に落とす決勝適時打。曲芸タイムリーに「変化球が来ると思っていた。食らいつこうと。バットに当たるところが見えなかった」と笑った。

 激戦区の兵庫を勝ち抜くのは難しく、原樹理(現ヤクルト)を擁した11年夏を最後に甲子園から遠ざかる。復活には苦しみが伴うもの。もがき苦しみながらも頂点へ一歩ずつ上がっていく。 

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2021年7月14日のニュース