岩村明憲氏 見せ場は十分につくった大谷 「引っ張り過ぎ」修正で打球に角度が出た

[ 2021年7月14日 02:30 ]

MLB球宴本塁打競争 ( 2021年7月12日    デンバー )

本塁打競争1回戦でソトと対戦する大谷(AP)
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 【岩村明憲氏が見たエンゼルス・大谷の本塁打競争】これだけ注目を集めて、優勝を期待された本塁打競争。誰だろうと力んでしまうと思います。序盤のスイングを見れば明らか。気持ちはとても分かります。どうしても力んで引っ張るので、角度が付かずラインドライブする打球が増える。序盤は、(通常の試合なら)右翼手の定位置手前辺りまで内野手を1人下げた「大谷シフト」に阻まれるような打球が多かったですね。

 早いうちにセンターに打てていれば、とは思います。一度右中間に本塁打が出てから、打球が上がりだした。角度だけ考えれば、反対方向の方が上がりやすいです。475フィート(約145メートル)で30秒ボーナスというルールで、どうしても飛距離を意識させられる。私も日本の球宴や日米野球で経験がありますが、本塁打競争で飛ばそうとすると、引っ張りとなりやすい。序盤の出遅れが、重圧をあおるところもありました。

 それでも最後の3スイング勝負まで持ち込み、見せ場は十分つくりました。全米や日本中の注目を集める中、疲労感は経験者にしか分からないものがあるはず。そういう面では必要以上に疲労したり、スイングに変な癖がつくこともなく終えられたのはプラスな点です。次はいよいよ本番。大谷一色のオールスターですが、そういう時は必ず何かやってくれる選手なので楽しみにしています。(元レイズ、現BC福島監督)

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