赤星憲広氏 試合の流れ変える力持っている阪神・及川 「7回の男」最有力も 後半戦は先発でも面白い

[ 2021年7月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー8DeNA ( 2021年7月13日    甲子園 )

<神・D>7回に4番手で登板した及川(撮影・大森 寛明)
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 【赤星憲広 視点】きょうも、よく腕が振れていた。及川が7回に出てきて、この試合で唯一となる3者凡退。直後に味方打線が得点し、初戦の逆転サヨナラ劇を演出したように試合の流れ、球場の雰囲気を変えられる力をもっている。急務となっている勝ちパターンの「7回」は現状では及川が最有力候補……なのだけど、後半戦はローテーションに入って先発で投げるのを見てみたい。左は伊藤将一人しかいないし高卒2年目の若い及川が加わればチームに勢いももたらすことができるので面白いと思う。

 プロ1年目だった昨年から球速がかなり上がり150キロ台を連発するようになった。高校時代は制球に苦しむ時期があり腕が思い切り振れなかったのが、いまは簡単にストライクが取れているので自信をもって投げ込めているし、真っすぐが速いからスライダーやツーシームの変化球もキレて、非常に有効だ。

 ただ、それも9回スアレス、8回岩崎の前の7回を任せられる投手が出てくることが条件。藤浪なのか馬場なのか、それとも本来そのポジションにいた岩貞なのか。この日に先発して3回4失点だったアルカンタラも、リリーフでの1イニング限定ならば、もっとスピードが出るはずだが…。

 14日を最後に1カ月近い球宴&五輪ブレークに入り、戦力整備ができる。もちろん矢野監督や投手コーチがいろいろな選択肢がある中で最善策を決めることなので、このまま及川を勝ちパターンの「7回」に期待することを選ぶかもしれないが、いずれにしても後半戦のキーマンの一人になる可能性がある。(スポニチ本紙評論家)

 《及川1回無失点、同学年のDeNA・森斬った》阪神・及川が同学年対決を制した。7回2死で横浜高時代に同じ神奈川の強豪だった桐蔭学園出身の森と対峙(たいじ)しカウント2―2から150キロ直球で中飛に打ち取った。「初球のスライダーは少し力んでしまったが次の球でしっかり修正できた。同期生ということは特に意識せずチームのために投げている。抑えられて良かった」。高校時代はチームとして2度対戦し連勝も直接対決は初めてだった。

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