大谷 本塁打競争で初戦敗退も最速約188キロ!152メートル超えは1回戦最多6本!

[ 2021年7月14日 02:30 ]

MLB球宴本塁打競争 ( 2021年7月12日    デンバー )

ホームランダービーに出場した大谷翔平(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が12日(日本時間13日)、オールスター戦前日の本塁打競争に日本選手として初出場。1回戦でナショナルズのフアン・ソト外野手(22)と2度の延長戦を繰り広げた末、28―31で惜しくも競り負けた。それでも、500フィート(約152.4メートル)超えのアーチは1回戦でトップの6本を放ち、最速117マイル(約188キロ)は全体でのトップタイ。両リーグ単独キングの貫禄を示し、この日一番の歓声を浴びた。

 大汗をかいて力を振り絞った大谷は敗退が決まると、ブルージェイズのゲレロ、パドレスのタティスら、若きスターから熱いハグで激闘をねぎらわれた。満員のスタンドからも拍手が注がれた。

 「本塁打競争だけであんなにいっぱい入ることも日本ではない。なかなかできる経験ではないので凄い楽しかった」

 第1シードとして1回戦の大トリで登場。10スイング目でようやく1本目の柵越えを記録した。「普段、外でBP(打撃練習)をしないので、なかなか“距離感”が取れないなという感じだった」。二刀流調整の負担軽減のため、今季は開幕戦以外は屋内で打撃練習。その影響が出た。

 しかし、メジャートップ33本塁打の意地を見せて22本に並び、60秒間の延長戦へ。ここでも6本で並び、3スイング勝負の再延長。ソトに3連発で先行されると、1スイング目でゴロを打って勝負が決し、天を仰いだ。

 標高1600メートルの高地にあり「打者天国」と呼ばれるクアーズ・フィールドでのインパクトは飛距離、打球速度とも群を抜いた。一方、空気が薄い高地ならではの苦しみも味わった。一番の疲労に「呼吸」を挙げ「インターバル走みたい。ずっと振り続けているので。そういうところで筋肉(の疲労)というより息が上がるという感じ」。打席の合間には思わず「きっつ~」と声も漏れ、休憩中には両膝をついて座り込む場面もあった。

 打席前には元同僚のプホルス(ドジャース)から、合間には故障で球宴出場を辞退した同僚トラウトから激励の電話。「“リラックスして”と(助言を受けた)。途中は疲れていたので、あんまり聞き取れなかった」。お祭りならではのサプライズに照れ笑いした。

 前夜の移動のチャーター機内では寝る前に読書するなど、自らのペースは崩さなかった。メジャーを席巻する二刀流の27歳。来年以降のリベンジに向け「選ばれないといけないので。それ次第かなと思う」と謙遜したが、初の晴れ舞台でも、唯一無二の存在感を残した。(柳原 直之)

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