広島・玉村の母・小由美さん 福井から力投を見届けてエール「名前覚えてもらえるように頑張って」

[ 2021年5月10日 08:00 ]

母の日特別編(1)広島・玉村投手

プラスチックバットを振る3歳の玉村(母・小由美さん提供)
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 5月9日は「母の日」。プロ野球選手の母親にとっては、元気にプレーする姿が何よりのプレゼントである。中日戦に先発して5回2失点と力投した広島・玉村昇悟投手(20)の母・小由美さん(52)は、福井の実家から我が子の勇姿をチェック。少年時代を回想しながら、本紙を通じてプロ初勝利を目指す息子へエールを送った。(構成・河合 洋介)

 去年の「母の日」は、昇悟からカバンが贈られてきました。プレゼントなんて初めてだったのでビックリしました。先日、珍しく電話がかかってきたと思ったら「1軍上がるんやって」と言うから、もっと驚きました。

 小さい頃は、とにかく目立つのが嫌いな子でした。マスクで顔を隠せるから捕手をやりたいって。監督から「左投げやからできないよ」と言われて、仕方なく投手をやるような照れ屋だったんです。でも、昇悟にとって野球は楽しいしかないんやろね。家では見たことのない笑顔で投げるんです。それはいまも変わらないですね。

 高校でプロ注目と言われても「うちの子が? どこがいいんや、分からんなー」って。だから高校3年夏の福井県大会で決勝まで勝ち上がったときは、不思議な感覚でした。本人はつらかったと思うんです。大会期間中に5キロぐらい体重が落ちたかな。でも、野球が大好きだから最後まで笑顔のままでした。

 1軍デビューが決まってから、急いで近所の人たちとCSの有料放送に入りました。「昇悟が1軍に上がったらCS入らないとなー。まあ、まだまだかー」って言っていたのに。「どうやって入ったの?」ってみんなで助け合いながら。そのおかげで、カープの試合を福井からでも見られるようになりました。

 野球から離れると、どこにおるかも分からんくなるような田舎の子。だから、これからは名前を覚えてもらえるように頑張れって言いたいです。まだ、広島の方にも覚えてもらっていないでしょうから。とにかくチームに貢献できるようにね。

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