巨人・岡本が初サヨナラ弾!母の日に贈る2打席連発「丈夫な体に産んでくれて感謝しています」

[ 2021年5月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人7ー5ヤクルト ( 2021年5月9日    東京D )

<巨・ヤ>9回1死一、二塁、サヨナラ3ランを放つ岡本和(撮影・森沢裕)
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 お母さん、ありがとう。プレゼントは、初サヨナラ弾です。巨人の岡本和真内野手(24)が9日、ヤクルト戦の9回に2打席連発となる右越え7号逆転3ランを放った。サヨナラ打もプロ初で、母の日の一発は18年に続き2度目。両リーグ最速で30打点に到達し、リーグ単独トップに返り咲いた。

 三塁を回り、ようやく笑みがこぼれた。チームメートが待つ本塁を踏むと、岡本和は立ち止まった。「初めてだったので、どういうふうに帰ればいいか分からなかった」。少し空いた距離からのウオーターシャワーに、戸惑ったように一礼し、ずぶ濡れになった。

 1点を追う9回1死一、二塁。1―1から石山の外角スライダーに踏み込み、逆方向へ運んだ。逆転サヨナラの7号3ラン。プロ通算482安打、103本塁打目でサヨナラ打自体が初体験だった。8回には7試合ぶりの一発となる6号ソロで1点差。4月21日の阪神戦以来の2打席連発で、勝負を決めてみせた。

 「今まで大きなケガもしたことない。本当に丈夫な体に産んでくれて感謝しています」と母・智代美さんに贈った母の日弾は2本目だ。18年5月13日の中日戦。プロ通算7本目の一撃は初めて逆方向への一発だった。翌6月に第89代4番に就任。プロ人生できっかけになる本塁打だったが、この日は初のサヨナラ弾と、またしても心に残る一本になった。

 普段の赤から、母の日仕様でピンクのリストバンドを着用して挑んだ。ピンクには思い出がある。少年時代。岡本家では黄色のスポンジボールに、色ペンでピンクのマークを付けていた。家の中で選球眼を鍛えるトレーニング。何も塗っていない球はフルスイングし、ピンクで塗った球は見逃す。中学時代には「ボールの縫い目が見える」とまで語った。丈夫な体だけではなく、強い目を両親がつくってくれた。

 母の日限定でピンク色の文字だったスコアボード。岡本和が9回にサヨナラ勝利を示す「3X」を刻んだ。原監督は「男の子は、お母さんにはとても弱いというね。恩返しというか、感謝の気持ちを持ってすることが非常に良かった」と主砲の胸中を代弁するように称えた。

 今年のプレゼントは「一応、実家には何か送りました」と照れ隠ししたが何よりの贈り物だった。「迷惑を掛けている部分が多かったので、まだまだこれから打てるように頑張っていきたい」。チームにとっても勢いというプレゼントになった。(小野寺 大)

 ≪サヨナラ打自体初体験≫4番の岡本和(巨)が8回にソロ、9回に逆転サヨナラ3ランと2ホーマー。これまでサヨナラ安打自体がなく、サヨナラ本塁打も初めてだ。巨人打者の逆転サヨナラ本塁打は、17年6月18日ロッテ戦の亀井以来。先発4番では同年4月1日中日戦の阿部以来球団史上5人目と珍しい。通算サヨナラ弾8本の王、同7本の長嶋も逆転サヨナラはなし。また、逆転サヨナラ本塁打を含む2本塁打は、71年7月11日中日戦で先発7番の上田が7、9回にマークしたのに次ぎ50年ぶりチーム2人目。2イニング連続も、4番も岡本和が初めてだ。

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