レッドソックス 最下位から世界一に駆け上がった8年前と多い共通点 ミラクル再現に期待

[ 2021年5月10日 09:00 ]

レッドソックス・沢村(AP)
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 5月7日、レッドソックスは今季メジャー最速で20勝に到達した。現在、ア・リーグ東地区首位を快走中。開幕前の大方の予想は「3~4位が精いっぱい」といったものが多く、完全に予想外だ。過去2年連続でプレーオフを逸しており、今季序盤で最大級のサプライズチームになっている。

 ここまでの戦いを見ていると、12年の最下位から一気に世界一にまで駆け上がった13年のチームに共通点が多いように思えてならない。13年はオルティス、レスターといったベテランたちに引っ張られ、前評判の低さを覆した。今季もJ・D・マルティネス、イオバルディら実績ある選手が中心になっている。絶好調のマルティネスは、「ビッグ・パピ」ことオルティスの役割を果たしてくれるのではないかという期待がかかる。

 8年前のペドロイア、エルズスベリー同様、ボガーツ、ディバースら生え抜きの野手がラインアップの根幹を成していることも特徴の1つ。ビクトリノ、ナバのような曲者が重要な働きをしたのと同じように、今年はバスケス、バードゥーゴらが脇役として支えているのも目を引く。

 もちろん全てが同じではない。E・ヘルナンデス、ゴンサレス、レンフローらのベテラン野手が、ゴームズ、ナポリのようなインパクトを生み出せるかは微妙。イオバルディ、ロドリゲス、ピベッタらを軸とする先発投手陣が、1年を通じて好成績を保てるかどうかも、まだ分からない。

 ただ、開幕前にアレックス・コーラ監督が「間違いなく去年よりは良いチーム。地区のレベルが高いことは分かっているけど、準備はできているよ」と自信を示した通り、事前に考えられていたよりはるかにバランスの良い戦力を誇っているのは事実に思える。優勝候補筆頭だったヤンキースの出遅れもあって、しばらくは好位置を保っても驚くべきではないのかもしれない。

 今後、健闘を続ける条件として、ブルペンの頑張りは必須になってくる。13年は上原浩治が神がかり的な投球でブルペンを支え、ブレスロー、田沢純一とともに試合の終盤を引き締めた。今季はバーンズ、オッタビノ、ウィットロックらが救援の柱となるが、当時のような盤石感はない。そんな状況下で、今季から加入し、まずまずの形でメジャーキャリアをスタートさせた沢村の活躍にも期待がかかる。上原から背番号19を受け継いだ日本投手が、13年の上原や田沢をほうふつさせるようなピッチングを続けられれば…。

 もちろん8年前のような快進撃の継続は容易ではないが、予想を覆す戦いぶりにはファンを熱狂させる魅力がある。米東海岸を代表する人気チームであるレッドソックスがこのまま旋風を起こせば、メジャー全体が盛り上がるはずだ。

 まだパンデミックの混乱が続く米国で、ベースボールファンが活気付くようなミラクルの再現を楽しみにしておきたい。(記者コラム・杉浦 大介通信員)

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