怪物が初めて直面した試練 阪神・佐藤輝は連夜の3三振 執ような内角攻めに3度バット折られた

[ 2021年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー4広島 ( 2021年3月31日    マツダ )

<広・神>9回1死、佐藤輝はバットを折られて遊飛に倒れる。投手栗林(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 阪神のドラフト1位・佐藤輝に最初の試練が訪れた。2試合連続で3三振を喫するなど4打数無安打。徹底した内角中心の攻めに苦しみ、一日だけでバットを3本折られた。

 広島の先発左腕・床田に対する3打席はすべて走者を置いた場面。共通したのは内角を徹底的に意識させるような攻めだ。2回1死一塁では3球続けての内角直球で追い込まれ、4球目の外角スライダーにバットが空を切った。4回1死一、三塁でもフルカウントから8球目スライダーに空振り三振。6回2死一塁ではファウルで2度バットを折られた末、最後は6球目の外角カーブに三たび空振り三振を喫した。

 9回1死では前日に空振り三振を奪われた同じ新人の栗林との再戦。雪辱への期待が高まる中、1ボールから内角低めの140キロカットボールに繰り出したバットは真っ二つ。力のない遊飛に倒れ、怒りを押し殺すような表情を浮かべた。

 オープン戦を12球団最多の6本塁打で終え、開幕2戦目でプロ初本塁打が生まれた。矢野監督は「あんまり壁がなく、ここまで来たんでね」と順調すぎた歩みを振り返り、「この悔しさを乗り越えて成長していく。みんな通る道。こういう世界なんで、やられたらやり返すしかないしね。そういう悔しさを持ってやってくれたらいい」と打破を期待した。北川打撃コーチも「全てうまくいくとは思ってない。見てても、しっかり振れている。振れなくなった時が一番ダメ。その気持ちだけは折れさせないようにやらせていきたい」とフォローした。

 2打席目には初球を左翼ポール際に運び、あと少しズレていたら本塁打という特大ファウルを放った。5試合で11三振を数えても、魅力は揺るがない。持ち味はそのままに課題克服を目指す。(阪井 日向)

続きを表示

この記事のフォト

2021年4月1日のニュース