“脱・エース”が求められる時代 全て中1日の中京大中京・畔柳 全試合継投で決勝進出の明豊

[ 2021年4月1日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第10日第2試合 準決勝   中京大中京4―5明豊 ( 2021年3月31日    甲子園 )

<中京大中京・明豊>明豊に敗れ、肩を落とす中京大中京・畔柳(中央)(撮影・坂田 高浩)
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 【解説】甲子園大会で初めて「1投手あたり1週間で500球」の球数制限が採用された今センバツ。この日、中京大中京(愛知)のエース畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)に注目が集まった。

 1回戦の最終カードで登場した畔柳の投球数は、25日の1回戦から29日の準々決勝まで5日間で3試合、計379球。準決勝は121球までと制限されていた。この日は救援登板し、31球で降板。高橋源一郎監督は「コンディションが良くなく、投げられる状況ではなかった」と説明。1回戦から全て中1日で131、110、138球を投げ2完封は、500球の投球数以前に大きな負担がかかり力尽きた。

 一方で結果的には、制度導入の狙いである、複数投手起用を促す形になった。初の決勝進出を決めた明豊(大分)は全試合継投、東海大相模(神奈川)も1、2回戦はエース石田を救援登板させて勝ち上がった。エースの酷使を避けながら勝つ戦い方が求められる時代が如実に表れた。

 米国では17年に導入された「ピッチ・スマート」という22歳以下の球数制限ガイドラインがある。例えば17~18歳の投手は81球以上投げた場合は中4日の休養が必要とされている。甲子園大会で日程上公平かつ理想的な制限の設定は難しいが「1週間で500球」自体も今後、議論が必要となるだろう。(川島 毅洋)

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2021年4月1日のニュース