「次」につながる投球だ プロ初登板の阪神・伊藤将は5回2失点 矢野監督も「らしさ」を評価

[ 2021年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー4広島 ( 2021年3月31日    マツダ )

<広・神>阪神先発の伊藤将は5回2失点と粘りの投球 (撮影・奥 調)
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 阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(24)が31日の広島戦でプロ初登板初先発に挑み、5回2失点の力投を見せた。変化球を低めに集め、けん制で2度も走者を誘い出すなど持ち味を発揮。勝敗は付かず、今後に期待を抱かせる内容だった。逆転敗戦で今季初めての連敗を喫した中、先発陣に頼もしいルーキーが加わった。

 実感した課題を上回る確かな収穫を手にしたはずだ。緊張のマウンドにもかかわらず、伊藤将は序盤から地に足をつけ腕を振った。

 「すごくワクワクした楽しみな気持ちでマウンドに上がった」

 多彩な変化球を低めに集め、凡打を量産。アマチュア時代から貫くスタイルでプロの舞台にも挑んだ。初回は1死から菊池涼をツーシームで空振り三振に斬り、2死一塁から鈴木誠を捕邪飛に仕留めた。3回は鈴木誠に直球を中前に運ばれ、先制点を献上。逆転に成功した直後の4回も2死二塁から投手の床田に高めに浮いたスライダーを左翼線に運ばれ同点とされた。

 失点はいずれも2死無走者から浴びた長打が要因。床田にも制球が甘くなった。「一番の反省点はそこだと思うので、ピッチャーでもしっかり低めに投げることを意識していきたい」。反省の言葉を口にした一方、大舞台で自信を手にしたことも確かだった。

 4回からの2イニングは110キロ台のカーブの割合を増やして工夫。「空振りを取ったり、カウントを取ったりできたので、次の登板ではもっとうまく使いながらやっていきたい」。3、5回にはけん制球で一塁走者を誘い出した。「足を絡めてくるチームなので、けん制を多めにしていくのは心がけた」。落ち着いたマウンドさばきで、毎回安打されてもゲームメークした。

 初勝利は次回以降へ持ち越しても、デビュー戦で上々の85球。矢野監督にも「落ち着いて投げられていた。将司の持ち味っていうのは、打たれながらも、粘るとか。制球よくというか。そういうふうには、全体的には投げられていた」と評価された。

 3月の実戦で好投を続け、チェンの不振も重なってつかんだ開幕ローテーションの座。6人の中で唯一の左腕として本番でも結果を残し、次回への期待も抱かせた。「変化球の高さだったり、もうちょっと注意できたらいい。緊張は少しあったんですけど、自分のメンタルの話なので、しっかり整理して投げるというのを次の登板に生かしていきたい」。白星のにおいを感じる背番号27のパフォーマンスだった。(遠藤 礼)

 【伊藤将アラカルト】

 ☆生まれ&サイズ 1996年(平8)5月8日生まれ。千葉県横芝光町出身の24歳。1メートル78、85キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 横浜高では2年夏、3年春に甲子園出場。国際武道大ではリーグ戦通算24勝。JR東日本では1年目から公式戦登板。

 ☆好物 オムライス、牛乳。実家は牛乳店を経営。小学生の頃は毎日1~2リットル飲用。

 ☆趣味 音楽鑑賞とゴルフ。ゴルフのベストスコアは80。名前はプロゴルファーの「ジャンボ」こと尾崎将司が由来。

 ☆準備万全 横浜高時代には書道の先生に教わり、我流のサインを作っていた。「“サインが欲しい”と言ってもらえる選手に」とファンサービスにも積極的。

 ☆座右の銘 「報恩謝徳」。

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