東海大相模10年ぶりV王手 エース石田が全開15K 雄星以来の2戦連続2桁K&完封

[ 2021年4月1日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第10日第1試合 準決勝   東海大相模2―0天理 ( 2021年3月31日    甲子園 )

<天理・東海大相模>完封勝利で決勝進出を決め、ガッツポーズで歓喜する東海大相模・石田(撮影・成瀬 徹)  
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 準決勝2試合が行われた。東海大相模(神奈川)が天理(奈良)を2―0で下し、優勝した11年以来10年ぶりの決勝進出。石田隼都投手(3年)が3安打15奪三振で投げ切り、2試合連続の2桁奪三振&完封勝利を挙げた。

 有言実行の男だ。センバツ出場が決まった1月29日、西日が差し込む東海大相模のグラウンドで、石田はこう宣言した。「全試合に投げて無失点でチームに貢献したい」。決勝進出が懸かる大一番でも誓いを守った。

 3戦21得点の天理打線をわずか3安打、15奪三振。「初回に点をしっかり取ってくれたので、それを守り切るっていう気持ちで投げた」。9回に2点目が入るまで、1点あれば十分だった。今秋のドラフト候補に挙がる左腕。自己最速にあと1キロに迫る144キロの直球と、100キロ台のカーブなど緩急で打者をほんろうした。3回1死からは6連続三振。この試合唯一、得点圏だった6回無死二塁も危なげなく後続を3人で抑えた。

 準々決勝での14奪三振完封勝利に続く、15三振で完封勝利。センバツでの2戦連続2桁奪三振&完封勝利は、09年の清峰・今村(現広島)花巻東・菊池(現マリナーズ)以来12年ぶり11人目だ。今大会は計26イニングで43奪三振で奪三振率は驚異の14・88。本人は「アウトになった結果が三振」と平然としたものだったが、捕手の小島大河は「真っすぐの切れが良くて、真っすぐの軌道から曲がる変化球がある」と打者を幻惑する要因を口にした。

 昨秋の悔しさが成長の源となっている。センバツ当確を懸けた関東大会準々決勝の東海大甲府(山梨)戦。完投も1―2で9回逆転サヨナラ負けを喫した。「詰めの甘さを実感した。冬は練習でも最後の一本までやりきることを意識した」。走り込みは最後まで力を緩めず、逆に最後まで球威の落ちない脱力を意識した投球フォームに改良。門馬敬治監督は前日、球数制限のある大会に「考えていくが、今を全力で」と多くを語らなかったが1、2回戦で救援起用したエースが大会終盤に万全の状態となった。

 名前は「隼都」。地元の栃木県真岡市にある大前神社で漢字を選んでもらった。「ハヤブサ」と「みやこ」に込められたのは「大舞台で羽ばたける子に育つように」の願い。大舞台の頂点まで、羽ばたいてみせる。(柳内 遼平)

 《83年ぶり快投》東海大相模・石田が2試合連続完封&2桁奪三振。センバツの2試合連続完封は11年加古川北の井上真伊人以来10年ぶりだが、2戦連続2桁奪三振での完封は09年の菊池雄星(花巻東)以来12年ぶり。2試合とも被安打3以下となると38年の野口二郎(中京商)以来83年ぶり3人目だった。

 ◆石田 隼都(いした・はやと)2003年(平15)4月5日生まれ、栃木県出身の17歳。小3から野球を始め、真岡中では硬式の真岡ボーイズでプレー。東海大相模では1年春からベンチ入りし、1年夏と2年夏の交流試合で甲子園のマウンドを経験。50メートル走6秒2。遠投100メートル。1メートル83、73キロ。左投げ左打ち。

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