ヤクルト緊急事態…青木、内川が13日まで自宅隔離 コロナ陽性・西田の濃厚接触者に認定

[ 2021年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5ー3DeNA ( 2021年3月31日    横浜 )

ヤクルトの青木宣親
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 ヤクルトは31日、西田明央捕手(28)が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。保健所により濃厚接触者と特定された青木宣親外野手(39)、内川聖一内野手(38)は4月13日までの自宅隔離が決まった。球団に濃厚接触の可能性があると判断された5人を含む計6人の出場選手登録は「特例2021」の対象選手として抹消。同日のDeNA戦は村上の2ランなどで勝利したが、プロ野球は今年もコロナ下での戦いを強いられる。

 2年連続最下位からの下克上を狙うチームが、開幕5戦目で、2番・青木と5番・内川の2人の主軸を欠く事態に陥った。最短で14日から復帰と仮定しても、2人は10試合の欠場を余儀なくされる。

 30日に関係者1人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたことに伴い同日に監督やコーチ、選手、スタッフら計62人がPCR検査を受検。前日のDeNA戦で先発マスクをかぶった西田と20代男性スタッフの感染がこの日の試合前に判明した。球団は濃厚接触の可能性のあるスアレス、青木、内川、山田、西浦、ドラフト2位・山野の6選手、スタッフ1人に自宅待機を指示。その後、保健所から青木と内川が濃厚接触者に特定され、感染者2人との最終接触日である30日の翌日から2週間後の4月13日まで自宅隔離となった。

 自宅でできるトレーニングは制限され、隔離が明けてもコンディションを戻す期間が必要と考えられる。日米通算2484安打でチームの精神的支柱でもある青木は現在、打率・316。移籍1年目でプロ通算2176安打の内川も同・294と好調で、離脱はチームにとっては痛い。高津監督は「いるメンバーで戦うしかない」と懸命に前を向いた。

 この日は11人を入れ替え、先発野手は前日から5人変更した。その苦境にもチーム一丸で2連勝。指揮官は「勝つことができて凄くうれしく思いますけれど、いろいろあって大変な一日でした」と振り返った。

 感染した2人に発熱や味覚障害などの症状はなく、現在は自宅隔離中。内川、青木以外は濃厚接触者には該当せず、1日にチームに合流。高津監督は、予定通りに山野を先発させ、山田と西浦もスタメンで出場させる考えを示した。

 「いろんなことがあっての野球や人生だと思う。ピンチの時にどうやって乗り越えるかが人間の大きさに関わってくる」

 試合後にはチームに対して衣笠球団社長から改めて感染予防の注意喚起があった。球団ではマスク着用はもちろん、手洗いうがい消毒の感染対策を施しても、避けられなかったコロナ禍。全国的に感染者が増加する気配が漂う中、厳しい戦いが続く。(青森 正宣)

 ≪全国で2843人、新規感染は微増傾向≫東京都は31日、新型コロナウイルスの感染者が新たに414人報告されたと明らかにした。3月の合計は9310人。昨年11月以来4カ月ぶりに1万人を切ったが、中旬以降は微増が続き、再拡大の懸念が高まっている。また、国内では新たに2843人の新型コロナウイルス感染者が確認され、2日連続で2000人を超えた。2800人以上となったのは1月31日以降で初めてで、感染者の内訳は大阪599人、兵庫211人など。宮城の200人と青森の81人は過去最多となっている。

 ▽感染拡大防止特例2021(通称・特例2021)新型コロナウイルス感染のほか、本人および家族の体調不良や濃厚接触者となるなど「コロナの疑い」で出場選手登録を抹消する際に適用。感染の疑いがなくなり医師の所見もしくは診断を添えれば、10日間を経なくても再登録できる。抹消時に代わりに登録される選手は「代替指名選手」となり、その後10日以内に登録を外れた場合、どの選手とも日数の制約なしで再登録可能。

 ▽プロ野球の昨季の大量入れ替え 阪神は9月25日に糸原、陽川、岩貞、馬場と1軍スタッフ2人の計6人が新型コロナウイルスに感染したと発表し、球団が濃厚接触者扱いとした福留、江越、木浪、小林を含む10選手を特例2020で抹消。藤浪ら9選手を昇格させ、同日のヤクルト戦を戦った。ロッテは10月6日に清田、荻野、鳥谷、角中ら7選手が陽性判定を受けたと発表。4日に陽性判定を受けていた岩下や、濃厚接触者らを含め11人を抹消し、11人を緊急昇格させオリックス戦に臨んだ。

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